日銀の量的質的緩和は行き詰まった
「マネタリーベースは2か月連続の減少」
日銀の「金利操作付き量的質的緩和」は行き詰まりました。国債の買い入れの上限を撤廃し、青天井とするとしたものの、現実にはそれ以前の目標「年間80兆円を目途」にも遠く及ばない15兆円にとどまっていました。さらに、日銀がこれまで唱えてきた「インフレ率が安定的に2%を超えるのを確認するまで、マネタリーベースの拡大を続ける」も実現できていません。
そのマネタリーベース、現金通貨に日銀当座預金(その過半は銀行の準備預金)を加えたもので、その反対側には日銀の国債保有などの資産があります。日銀は金利を操作しつつ、資産の買い入れによってマネタリーベースを十分に拡大し、景気や物価を押し上げる、と言ってきたのですが、そのマネタリーベースが実勢ベース(つまり季節調整値)で2か月連続の減少となっています。
つまり、3月の517.7兆円、前月比年率7.7%減に続き、4月も514.6兆円、同6.8%減と、2か月連続の減少となっています。4月の水準は昨年12月をも下回っています。また4月までの1年間で見ても、年間80兆円増には遠く及ばない11.7兆円の増加にとどまっています。日銀は公約を果たしていないことになります。ここには2つの要因が日銀の手足を縛ったと見られます。
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