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ビジ選☆リーダーズ Vol.855『ブランディング・ファースト』(宮村岳志)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■ブランディングとは何か? 自社の売上・利益を増やしたい。経営者なら誰しもそう思うはずだ。 社員も、自社がやりがいある、労働条件の良い会社であって欲しい と願うはずだ。それを可能にするのが「ブランディング」だ。 ブランディングというと、フェラーリの跳ね馬やアップルのリンゴ など、抜きん出た品質やユーザーのもつ良いイメージを表現するロ ゴマークなどをイメージすることが多い。だが、それだけでなない。 ブランディングとは「柱の確立」のことだ。たとえば家を建てる時、 四面に壁を立て、上下を床と天井で塞げば、家のような構造体がで きる。だが、柱がないとわずかな揺れでも崩れてしまう。 企業も同じだ。優れた商品やサービスがあることはもちろんだが、 その背景に経営者や企業の強い思いといった柱があるからこそ、安 定して、自立することができるのだ。 そんな企業の中にある「柱にしたいもの」「柱になるべきもの」を、 誰もが納得する「ブランド」として確立させる施策こそが「ブラン ディング」なのだ。 ★ 中小企業が、平均的・最大公約数的なプロダクトで大企業と戦うの は難しい。ここで「淘汰される企業・されない企業」「現状維持と 飛躍する企業」を分けるのが「ブランディング」の有無だ。 筋の通った柱を持つことこそが、どこにもないプロダクトを生むこ とにつながる。明確な柱を持つ企業だからこそ、大企業にも負けず、 他の競合他社に埋もれることもなく、ユーザーに選ばれるのだ。 ブランディングの本質は「企業の理想像」を明確にすることだ。自 分たちは「どうなりたいのか・どう見られたいのか」「自社の使命 とは」「社会に何をもたすのか」などを明らかにするのだ。 これらが明確になれば、進むべき方向も明確になるはずだ。そうな れば、社員の意思が統一され、無駄が省かれ、意思決定のスピード も上がるはずだ。 ブランディングは大企業だけのものではない。規模の大小問わず、 確立できるものだ。必要なのも、お金や従業員数など定量的なもの だけではない。それ以上に、経営者や企業の持つ強い思いなのだ。 ★ 今、社会ではパラダイムシフト、いわば革命的変化が起きている。 この流れに対応する上で大切なのが「差別化」「スピード」「イン ター」の3つだ。これらに効果がある戦略がブランディングだ。 3つの要素の1つ目は「差別化」だ。「ブランディングで差別化で きる」と言われても「当たり前だ」と思うかもしれない。だが、目 指すブランドの定義があやふやなままでは難しい。 ブランディングで実現できる差別化には、2つの方向性がある。一 つにはPOP、すなわちPoints of Parityだ。もう1つはPOD、 すなわちPoints of Differenceのことだ。 前者は「競合との差を埋めて追いつく差別化」だ。一方、後者は「競 合にないものを伸ばし、追い越す差別化」だ。中小企業にとって重 要なのは後者だ。差を埋めて追いつく差別化は、後ろ向きだからだ。 ★ 先行者に追いつくことは、同レベルの競合と差別化することだ。し かし、追いついた先には、これまでリードされてきた別の競合が待 ち受けている。 確実に進歩してはいるが、強力なライバルと同じ土俵にやっと上が れただけとも言える。PODなら、総合的勝利を目指す必要はない。 自分たちの強みや柱に注力し、一点突破を狙えばいい。 低価格で高品質なプロダクトを全国展開する大企業の戦略は、堅実 で的確だ。しかし、中小企業が同じ土俵を目指すことは至難の業だ。 その戦略は、資本力や開発力、知名度があるからできるのだ。 中小企業は、POPでなく、PODの差別化を目指すべきだ。言い 換えれば、PODの差別化を実現できる何かを探し、具現化するこ とだ。これが中小企業のブランディングなのだ。

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