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vol.023:即時配送が変える小売業態。新小売と社区団購

知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
  • 2020/06/08
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 023 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。 今回は、即時配送とそこを起点に生まれた小売ビジネスを紹介します。 中国の都市を訪れて、すぐに日本と違うとわかるのが、電動バイクの多さです。交通渋滞が状態化をしている中国の都市では、自動車よりもバイク、自転車の方が早い移動手段になっています。 電動バイクは、黄色い美団、青いウーラマの配送で、外売(フードデリバリー)の飲食品を配達しています。しかし、今や配送するのは飲食品だけではありません。一般の商品などの配送を始めています。しかも、宅配便は中央倉庫からトラックなどで配送をしますが、電動バイクが配送するのは店舗在庫から近隣の5km程度の圏内です。配送距離が短いために、注文してから30分から2時間程度で届きます。アマゾンが提供しているプライムナウのようなサービスです。ここから、最近では外売ではなく、即時配送と呼ばれるようになっています。 この即時配送は、小売業のあり方を大きく変えました。ECでは早くても翌日配送ですが、即時配送は近所の店舗在庫から商品を運んでくれるので短時間で届きます。そのため、「すぐにほしい」「留守がちで宅配便だと受け取りが煩わしい」という人たちに歓迎されています。 ここから新小売スーパーや生鮮ECというビジネスが生まれました。生鮮食料品をスマホで注文すると30分で届けてくれるサービスです。さらに、小売チェーンや一般商店も即時配送に対応し、店舗ECと呼ぶべきサービスを展開しています。さらに、中国の古い組織である社区(町内会、マンション自治会)が注文をまとめて、住人に即時配送する社区団購という仕組みも生まれています。 つまり、中国の都市部では、買い物は「行くもの」ではなく、「届けてもらうもの」になりつつあります。この変化は、よく中国メディアでは「人が商品を探す時代」から「商品が人を探す時代」に変わったと表現されます。日用の買い物は即時配送で届けてもらい、楽しみのための買い物はモールなどに出かけてゆっくりと楽しむ。そういうライフスタイルになってきています。 即時配送は、もはや一サービスではなく、都市物流の毛細血管とでもいうべきインフラになっています。このインフラを使って、新しいビジネスが登場し、古い小売業もアップデートされているのです。 今回は、この即時配送を起点として生まれてきたビジネス、新小売、店舗EC、社区団購をご紹介します。

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