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言いすぎか!! 弁護士 北村晴男 本音を語る Vol.95

言いすぎか!! 弁護士 北村晴男 本音を語る
━=━=━=━=━=━=━=━= 言いすぎか!! 弁護士北村晴男 本音を語る ━=━=━=━=━=━=━=━= Vol.95 2020.6.15 ■□■…………………………………… 目次 ……………………………………■□■  【1】 『「賭博罪」は見直すべき時期にある』  【2】 『北村晴男の"素"』  【3】 『番組出演予定       イベント情報』 ……………………………………………  【1】 『「賭博罪」は見直すべき時期にある』 …………………………………………… : : なぜ、検察官がそんなにマージャンが好きなのか。 マージャンは、たとえばサイコロ賭博に比べると、偶然の要素が少なく(25%以下)、局面局面で対戦相手3名の手牌を推し量りながら戦うゲームだ。 相手の捨て牌の位置や状況、表情などからさまざまな事実を洞察し、戦況を判断して、例えば自分の手牌が高いから勝負するのか、逆に弱い手牌であっても相手の高い手牌を阻止するために安上がりするのかなど、いろいろな戦略や戦術が詰まっていて、知れば知る程おもしろい。 検察官の多くは、自分は頭がいいと信じている。さらに推理力や相手の表情を読む力、論理的な思考力に自信があるので、そういう人たちが、夢中になりやすいゲームだ。 : : マスコミ関係者はどうか。新聞記者も、マージャン愛好家が大変多い。 新聞記者は何か事件が起きたらすぐに出なければならないので、簡単に決着のつくブー麻雀をする。 ブー麻雀とは、持ち点が少なく、すぐに箱てん(負けて点棒を入れる箱がからになること)になり、ゲームオーバー。かつ、東場(トンバ)・南場(ナンバ)ではなく、東場だけの勝負なので、あっと言う間に結着がつく。 新聞記者は検察官や警察官の実態を知っており、どういう場合に検挙する可能性があるかをよく分っているから、という面もあるだろう。だが、何より新聞記者は、「賭けマージャンは少しも悪いことではない」と思っているのだ。 : : では、何のために賭博罪はあるのか。 そもそもギャンブルは、殺人や窃盗、詐欺などの様に、悪いことか。 ギャンブルが本来悪いことであれば、国や地方自治体が胴元となって大々的に行われる公営ギャンブルが成立するはずがない。宝くじも典型的なギャンブルだが、テレビCMさえ流れている。「ギャンブルは決して悪いことではない」ということを前提としなければ、理屈が立たない。日本で唯一パチンコだけが民間が行うことを許されたギャンブルだ。 イギリスでは、あらゆることを賭けの対象にする。たとえばアメリカ大リーグのワールドシリーズでどちらが勝つかとか、あらゆるものにオッズをつけている。それを日本の報道機関は、普通に報じている。これも「ギャンブルがまったく悪いことではない」という前提があるからだ。 だが、日本の刑法には、「賭博罪」が残されている。 : : では、この賭博罪を残しておくことで、どういう現象が起きているのか。 一つは、公平に賭博罪を適用しようとしたら、ものすごく多くの人を犯罪者にしなくてはならないということ。これはとんでもない間違いだ。 もう一つは、ヤクザの資金源となっている面があるということ。アメリカの禁酒法時代をみるとわかるが、酒の製造・販売を禁止したことでマフィアのアル・カポネが酒の密造で大儲けをした。 これと同様に、(ギャンブル禁止によって、競馬、競輪、競艇、オートレース、パチンコ、これらが一定の恩恵を得ている面はあるが、それ以上に、)ヤクザがいわゆる闇カジノや闇賭博を経営し、ヤクザの資金源になっているという、ものすごく大きなマイナスがある。ギャンブルが適法なら闇賭博場は消滅する。 ところで、検察官の見方とは正反対の見方をした人物が過去にいた。美濃部亮吉元東京都知事だ。 : : そもそも、なぜ賭博罪は刑法に規定されているのか。それは、賭博は善良な勤労精神を害し社会が壊れる。賭博がフリーになると、みんながギャンブルに明け暮れて、誰も働かなくなる。そうなっては困るから賭博罪があるのだ、と説明されている。 刑法の教科書にはそう書いてある。だが、私は「これは大ウソだ」と言いたい。そんなことはあり得ないからだ。 マージャン好きな検察官を見てもらえばわかるように、仕事はキチンとしている。趣味の時間に、自分の小遣いの範囲内でマージャンをしているに過ぎない。世間の大部分も、そうなのだ。 学生時代にマージャンに明け暮れた人たちも、学生としての小遣いの範囲でやっていた。マージャンで借金して、身を持ち崩した学生など聞いたことがない。 確かに、パチンコばかりやって借金し、自己破産する人は現にいる。だが、そういう人は、元々そうなのだ。元々働かない、怠け者が、ギャンブルだけする。真面目に働く人が、そんなふうになることはまずない。

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