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【Vol.330】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
「イージス・アショア中止、ストーリーは更に奇々怪々に」  6月15日(月)、河野太郎防衛大臣、イージスシステムを地上に設置す るタイプのミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画を停止 すると発表しました。発射される迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」(改 良型)は発射後、ブースター(一段目、二段目の推進ロケット)を切り離す のですが、これを基地周辺の住宅などに落下させないためには設計変更がソ フト面だけではダメで、ハードまで改修しないとダメ。そこで開発は断念す るというのです。  このミサイルは、日米両政府が共同開発中の迎撃ミサイルで、陸上自衛隊 の新屋演習場(秋田市)と山口県の陸自むつみ演習場(萩市、阿武町)への 配備を計画していたわけです。このうち、秋田の方は5月に「断念か」とい う情報が流れ、河野大臣は「フェイクニュースだ」として否定していたので した。  このニュースですが、何とも分からないことだらけです。 (1)北朝鮮危機に対処といいながら稼働は2025年。ということは核危 機はそこまで続くという前提? 韓国の大統領も、トランプも別の政権にな っている時期なのに? (2)秋田も山口も地元は猛反対。にもかかわらず安全保障上の問題だとい うことで、反対へのカウンターも起きなかったのは何故? 世論では、そん なの不要だという合意形成ができていた? (3)本当に北朝鮮対策?韓国、中国、ロシアも仮想敵?仮にそうなら、対 立を煽るトランプのインチキ外交に乗せられているだけ? (4)トランプの貿易摩擦対策ということも、堂々と語られていたが、再三 この欄でお話しているように、自動車の完成車輸出は極小化している中で、 全く根拠はないのでは? (5)もしかして、一連のトラによる「デモ鎮圧にペンタゴン出動令」のた めに、ペンタゴン中枢が「ブチ切れ」という状況下で、これをキャンセルし たというのは、太郎さんのスマッシュヒット? (6)にしては、太郎さんの会見はマスク姿が妙で(もう外してもいいので は?)、切れ味もあまりなく、そう単純な話でもない印象も・・・ (7)しかしまあ、自分たちの主張が通ったのに「政権の態度に一貫性がな い」とか言って批判して、勝ち負けの点数をゲットしようという野党には呆 然。 (8)全く別の見方をすれば、実は金正恩はコロナで重体になっていて、与 生が全権を掌握しつつある中で、「止めても大丈夫」という確証があった可 能性も。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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