━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 025
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、羊毛党についてご紹介します。
羊毛党というのは、ECなどのネットサービスが行なっているポイント還元ポイントを集める人たちのことです。それを趣味の範囲でやって、賢く買い物をしている分には問題はないのですが、中国で問題になっているのは職業羊毛党と呼ばれる集団です。各アカウントを大量に作成する、システムのバグやセキュリティホールを利用するなどの不正な手段を使って、ポイントを大量に取得し、換金をする。それを業として行なっている人たちです。
サービス提供側の被害も大きく、数億円から数十億円になることも多く、場合によっては閉店、倒産ということまで起きています。それだけではなく、職業羊毛党が狙うのは、ネットサービスが行う大型還元キャンペーンで、キャンペーンそのものが中止に追い込まれることもあります。そうなると、善良な消費者の間には不満が生まれます。莫大なキャンペーン原資を投下しながら、キャンペーン効果がないどころか、ブランドイメージを低下させてしまうことになるのです。
このような職業羊毛党の怖いところは、産業化をしているところです。必要な作業はスクリプトを開発することで自動化されていますし、その開発を請け負う集団、不正アカウント、不正な携帯電話SIMカードを提供する業者など、産業チェーンができ上がっていて、SNSのプライベートグループで連絡を取り合いながら、羊毛党行為を行っています。
また、サービス提供側に、羊毛党を排除するうまい手段がないことも大きな問題です。
今回は、この羊毛党がどのような産業構造を持っているか、サービス提供側はどのような対策をしようとしているかなどをご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 025
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼目次▼
ポイント還元をむしゃぶりつくす羊毛党とその産業構造
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)