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週刊 Life is Beautiful 2020年6月23日号:シアトルに作れた自治区

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん シアトルに作られた自治区 George Floyd 氏の警官による殺害事件を発端としたデモ・暴動が続いている米国ですが、私が暮らすシアトルでは、デモ隊がダウンタウンの一部(Capital Hillと呼ばれるエリア)を占拠し、「自治区(Autonomous Zone)」と宣言してしまったために、全米から注目されています。 なぜ、そんな場所が出来てしまったかについて簡単に解説します。 Capital Hill にはシアトル市の警察署があり、最初はデモ隊がそこに集結してデモを繰り返すという形でスタートしました。平和なデモ行進だけならば問題なかったのですが、デモに参加している人たちの中には過激な人たちがおり、その人たちが石などど警察署・警官に向かって投げたため、シアトル警察は(過激化したデモ隊を鎮圧するために良く使われる)催涙ガス、唐辛子スプレー、閃光弾などを使って鎮圧にかかりました。 それに対し、警察による鎮圧の仕方が適切ではないという苦情が数多く寄せられ、市会議員の一部の人たち(自らデモに参加していた人たちもいるそうです)もそれに同調し、結果的に市が公式にその手の武器の警察による使用を禁止し、警察が警察署から撤退する、という事態になってしまいました。 そこでデモ隊は警察署を含む6ブロックほどのエリアの周りにバリケードを築き、「Capital Hill Automous Zone(CHAZ)」を作り占拠してしまったのです(現在は、Capital Hill Occupied Protest - CHOP と呼んでいるそうです)。 警察が撤退したことによりそのエリアは落ち着きを取り戻し、今では(バリケードはあるものの)誰でも自由に出入りが出来るし、道路には様々なアートが描かれ、露店で飲食も出来るようになっており、一見、お祭りのようです(参照)。 一見平和を取り戻したように見えますが、このエリアの占拠は違法で、警察署が利用できないために、この近辺の緊急通報に対する警察の対応時間が通常の3倍になってしまっており、こんな状況をいつまでも放置出来ません。 デモをしている人たちは、様々な要求を市に対してしていますが、中心的な要求は、警察の予算を大幅削り、それを黒人の支援のために使う、というものです。警察署の建物をコミュニティ・センターとして解放するなどの要求をしている人たちもいるそうです。 シアトル市はなんとかこの状況を解消しようと交渉を続けていますが、デモ隊に明確なリーダーがいないため(デモには、複数の団体と、数多くの個人が参加しています)交渉は難航しています。 おもちかえり.com の正式リリース

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