■■■ 2020/06/26 ■■■
兵頭正俊の優しさ出前
『兵頭正俊の優しさ出前』は、現在の国内外の重要問題
について、最新の情報と考え方(批評)を、見やすく、
わかりやすいことに注力して発信しています。
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内容のレベル:中高級者向け発行人 :兵頭正俊
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中国一極覇権への流れは変わらない (その3)
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この論文で興味あるのは、コロナ禍の初期段階、中国を
襲った不幸をアメリカ外交政策エスタブリッシュメント
の一部が、中国の不幸を祝っていたと、直裁に語ってい
ることだ。なぜ喜んだのか。「秘密主義に固執した結
果、経済を窒息させる封鎖策をとらざるを得なくなった
ことで「中国共産党指導層内部でついに分裂が起きる」
と彼らは考えた」から喜んだのである。つまり対岸の火
事視して、すぐにアメリカにコロナウイルスが襲来する
とは思わなかったのだ。
しかも、中国がアウトブレイクから回復し始めると、か
れらは「パンデミックはアメリカとの地政学的な競争で
中国が勝利を収めるのを助けるかもしれない」と逆の思
いを抱くようになった。このあたり楽観的で単純なアメ
リカ人識者の特徴がよく現れている。
「米中のパワーは国内においても対外的にも衰退してい
く」とケビン・ラッドは書く。ここでも楽観的で半分し
か正鵠を射ていない。アメリカは衰退していくが、中国
はまた巻き返していく。というか、すでに巻き返してい
る。日本での旺盛な国土買い占めはそのことを物語って
いる。
「今後の世界では、現状でのパンデミックに対するカオ
ティック(混沌とした、無秩序な 注 : 兵頭)な国家的
および世界的な反応が、より大規模なスケールで展開さ
れかねない情勢にある」というのも、しばらくの間であ
る。いずれ中国はアメリカを引き離し、一極覇権が構築
されるだろう。
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