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【Vol.332】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
「河野太郎、政権奪取戦略に死角はあるのか?」  先週のこの欄で、広島における河井夫妻のスキャンダルを取り上げ、どう にも全体構図が見えないと嘆いたのですが、(中略)今回は、全く別の仮説 を描いてみることにします。  それは自民党内のグループといっても、 第1グループ「安倍総理+今井尚哉補佐官+河井夫妻」 第2グループ「岸田文雄政調会長+岸田派+拡大宏池会?+広島県議会」 第3グループ「石破茂+クラシックな防衛族+クラシックな地方創生」 第4グループ「河野太郎+菅義偉(影の黒幕)+次官会議」  という分裂です。そして、現在起きていることは、ポスト安倍のカードの 中で、極めて有力な3枚を同時に葬るという一種のクーデターという考え方 です。  その3枚とはズバリ「安倍晋三」「岸田文雄」「石破茂」という3枚です。 もっといえば、河野太郎を軸とした政権構想があり、これに対する対抗馬を 一気に消すという政局の流れということです。  まず、河井夫妻の事件ですが、最初は「安倍潰し」の動きだと誰もが思っ ていたわけです。確かに、河井夫妻は安倍直系であり、特に案里氏を強引に 参院広島全県区に押し込んだ背景には、現職であった溝手顕正氏が「アンチ 安倍」だったことに対する懲罰的なニュアンスがあったということも知れ渡 っています。  ですが、ここへ来て捜査がどんどん進む中では、受け取った県議や首長、 市議などもどんどん名前が出ているわけです。その多くは、岸田系の政治家 と言えます。ということは、この事件が話題になればなるほど、岸田氏も傷 つくことになります。広島は保守王国で、その保守というのは池田、宮沢を 生んだ中道実務派の風土ということでは聞こえはいいものの、実際は、ここ 30年ぐらいは造船と自動車が空洞化する中で非常に古い体質の組織になっ ていたようです。  いずれにしても、今回の河井スキャンダルは、ここへ来て「安倍と岸田を 一気に潰す」という展開になってきています。  さて、政局に関しての動きといえば、「イージス・アショア断念」という 大事件がありました。これこそは河野太郎氏らしい一大パフォーマンスと言 えます。そもそも、この「断念劇」が非常に巧妙に仕組まれています。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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