計算違いした香港中国化の代償
中国の習近平政権は、7月1日の香港返還記念日を前にして、わずか1か月で香港に「治安維持法」ともいうべき「国家安全維持法」をまとめ、7月1日に施行しました。政権にはやむに已まれぬ事情があったにせよ、大きな計算違いをした模様で、習近平政権は内外から大きな代償を求められそうです。
「国内が火の車」
中国政府が急いだ背景には、国内情勢の悪化があります。北京ではまた新型コロナウイルスの感染拡大が見られ、共産党幹部は北京を離れたとの情報もあります。また、コロナ禍から回復が指摘されますが、失業率が公表の6%をはるかに超え、地方での失業問題が悪化。さらに中国各地で豪雨の災害が広がり、特に揚子江中流の三峡ダムは土砂が堆積して決壊リスクが高まっていると言います。
そうした状況の中で7月1日を迎え、香港で民主化デモが拡大すれば、北京政府としても対応余力がない分、不安があったようです。香港の民主化の動きが、北京政府には重荷になっていました。そこで慌てて統制強化の法案を用意する必要があったと見られます。実際、1日だけでもこの法を盾に、国家独立の幕を掲げた人々10人に、またデモ隊300人余りを逮捕しました。
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