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週刊 Life is Beautiful 2020年7月21日号

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん 点群アプリ 先週、カメラとLiDARで捉えた点群データを活用したアプリケーションについて書いたところ、質問が沢山来たので、もう少し詳しく書きます。 3Dコピー これは文字通り、物体のコピーです。物体をカメラとLiDARでスキャンすることは3Dスキャンに相当するので、それで取得した点群データを元に(間を補完する、エッジ抽出するなどして)色付きの3Dモデルを作ることが可能です。 その3Dモデルを色付きの3Dプリンターでプリントすれば、元の物体のコピーを作ることが出来ます。もちろん、外から見えない内部の構造まではコピー出来ないし、材質も同じものが使える訳ではないので、用途は限られていますが、それなりのビジネスになると思います。 具体例として分かりやすいのは、建物や乗り物の縮小モデルです。大阪城やノイシュヴァンシュタイン城を丁寧に3Dスキャンして精密な3Dモデルを作り、消費者が指定した縮尺サイズで注文生産するビジネスです。 コピーマシンのように、その場で物体を3Dスキャンして3Dプリントしてくれる、3Dコピーマシンも近いうちには商品化されると思います。こちらも用途は限られていますが、生産が中止になってしまった製品の部品の再生などの市場はあると思います。 テイラーメイドの服や靴 ZOZOTOWNが特殊な採寸スーツを使ってやろうとしたことが、(LiDARを搭載した)iPadの3Dスキャン機能を使えば可能になるので、これを活用したテーラーメイド・ビジネスがこれから誕生すると思います。 特に、靴はその人の足の形にフィットしたものを履くことが重要なので、各指の長さ、足底の形などを3Dスキャンした上でデータを送るとその足の形に最適な靴を注文生産してくれるビジネスには大きなポテンシャルがあると思います。 この市場は、すでに「カスタム中敷ビジネス」が存在するので、消費者にも理解してもらいやすいと思います。私がこのビジネスを立ち上げるとしたら、高いパフォーマンスが要求されるアスリーツ、立って仕事をする時間が長い客室乗務員などをターゲットにするだろうと思います。 洋服は許容度が高いのでそれほどニーズは高くないと思いますが、フィット感が重要なブラジャーなどに絞れば、それなりのビジネスになると思います。 3D不動産情報 日本で暮らしている人には実感がわかないかも知れませんが、不動産の購入は米国で暮らす人たちにとっては、とても重要な経済活動の一つで、その中でネットの役割がとても重要になっています。私自身、Zillow で不動産情報を頻繁にチェックしています。 そんな中で、徐々に増えて来たのが3Dを使った不動産情報の配信ですが、技術的には黎明期でしかなく、とても伸び代の大きい分野です。 LiDARを搭載したiPadを使えば、販売する不動産の内側と外側を3Dスキャンした上で、それを使ってバーチャルに自由に中を歩き回ることが出来るような体験をネット上(ブラウザー上)で提供することが可能になります。 ビジネスモデルとしては、様々なレイヤーが考えられますが、私がやるとすれば、やはり3Dスキャナー、後処理、配信をセットにしたアプリ+サービスビジネスをするだろうと思います。不動産のエージェントが自分自身でスキャン出来るぐらい使いやすいソフトウェアを作れば、エージェントたちは喜んで月額課金で使ってくれると思います。 3Dショッピング ウェブサイト上で買いたい物を3Dモデルとして表示し、色々な方向から見たり、ARアプリを使っておくべき場所に配置したり、という「3Dショッピング」アイデアは10年以上前からありますが、モデル作りのコストが高すぎるので現実的ではありませんでした。 LiDAR付き iPad を使えば、そんなモデルが安価に短時間で作れるので、これが一気に「3Dショッピング」へのシフトを加速する可能性は十分にあります。

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