<前立腺がん診療と骨の健康 その3 骨粗しょう症の予防と治療>
前立腺がん治療の骨の健康の目標は、
1.骨粗しょう症とその合併症(骨折)
2.骨転移の悪化
に対する予防と治療に集約されます。
骨粗しょう症は、骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。
骨がスカスカになると、わずかな衝撃転倒により骨折を起こしやすくなります。
骨粗しょう症は、それ自体が生命をおびやかす病気ではありませんが、注意すべき重大な合併症は骨折です。
骨折しやすい部位は、椎体(背骨)、大腿骨近位部、橈骨(とうこつ)、上腕骨です。
なかでも大腿骨近位部を骨折すると、その後歩行が困難になり、結果要介護状態になる人もいるため、骨折の予防対策は急務となっています。
また脊椎の椎体の骨折、圧迫骨折では、耐え難い痛みが起こります。
前立腺がんに限らず、骨の健康は、長生きして健康に生活するための重要な要素です。
内分泌療法やステロイド治療を受けている前立腺がん患者さんでは、骨粗しょう症や骨折の発生の予防、骨粗しょう症の治療の必要性がお分かりになると思います。
前立腺がんは慢性疾患とも言えます。内分泌療法や各種治療が奏効して、前立腺がん自体への制御はできていても、骨粗しょう症、骨折の危険性は、知らず知らずのうちに、前立腺がん患者さんの体をむしばんでいる可能性があるのです。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)