■1人でも、つながりながら自由に働く
組織が個人を一生守ってくれることはない。自力で生き残こらなけ
ればならない。そんな空気を感じ「力をつけねば」「人脈を増やさ
ねば」「有名に、何者かにならねばと焦り、躍起になる人がいる。
だが、多くの場合うまく行かない。人生が100年になり、仕事の半
分がAIに置き換えられる中、新型コロナウイルスが流行し、オン
ラインファーストの社会へと変化が加速している。
そんな激動の時代に、生き残れる「何者か」になるためにはどうす
べきかか?組織に依存せず、1人でも周囲とつながりながら、自由
に働くにはどうしたらいいのだろうか?
「役に立つ」から生き残れる。だが、誰もがネットで高速学習がで
きる時代だ。役立つだけでは競争過多になる。大事なことは「あな
たに仕事を頼みたい」といわれる存在になることだ。
自分が誰かにとって「意味のある」存在になるのだ。その積み重ね
で、よりたくさんの人にとっての「意味のある」存在になれる。そ
うやって人は「何者か」になっていくのだ。
★
小さくても「ありがとう」と言われることだ。不安と焦りから、つ
いわかりやすい数を追いがちだ。「目の前の人のこと」より「自分
のこと」にばかり一生懸命になっている。
誰かにとって意味のある存在になることが難しくなったのは「お金」
のせいだ。もともと商い「有り難う」の物々交換だった。だが、物々
交換は相手を探し出すことが大変だ。
肉や野菜などは交換相手を探すうちに腐り、価値が減ってしまう。
お金という「価値を数値化」するものに置き換えれば、肉なら肉屋、
野菜なら八百屋という風に交換しやすくなる。
だが、そのせいで誰かから「有り難う」と直接言われる機会を失っ
た。それが、誰かにとって「意味のある」存在になれる機会を減ら
してしまったのだ。
★
「いいね!」の数やフォロワー数も同じだ。数値に変換すると、一
人ひとりからの「ありがとう」の意味が薄れ「いいね!」やフォロ
ワーの数ばかり追いかけるようになる。
仕組みを提供する企業や組織からすれば、数値、貯金、偏差値、順
位を追いかけることを快感とし、盲目的に追いかけてくれたほうが
楽だ。意図的に病みつきになることを加速することもある。
だが、それは提供者の論理だ。「数字のオバケ」に負けずに「自分
の物差し」を育てるべきだ。そのためには誰かから「ありがとう」
と言ってもらえるGIVEを繰り返すことだ。
ギブを繰り返すことで、特定の誰かにとっての「意味のある」存在
になれる。特定の誰かにとって「意味のある」存在になることを重
ねていくのだ。
それにより、流れの中で特定の人たちに呼ばれる「何者か」になる
ことができる。あえて数字を追う世界から降りることで「意味のあ
る自分」を見つけることができるのだ。
★
これまでは、用意された問題を素早く正確に解くことが重要だった。
そういう時代においては、近くにいる同質な仲間とスクラムを組ん
で走ることが成功ルールだった。
しかし、現代のように変化が激しく、昨日までの正解が突然通用し
なくなる時代においては、遠くの人と緩くても意味ある絆で多様に
つながっているほうがいい。
誰かが穴に落ちても、他の誰かは傷が浅かったり、むしろ時代の前
線に立っていたりして助け合うことができるからだ。同質な仲間で
固まり過ぎると、全員が穴に落ちるリスクが増える。
何か1つに依存した状態から自立すべきだ。依存しないのでなく「依
存先を複数に増やす」のだ。少数でも、遠くの人から「あなたを助
けたい」と思ってもらえる意味のある存在になるべきなのだ。
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