田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」Vol.343
広大な地政学の読み物でもありました~「戦闘描写」も「現代日本政治と最前線で命かける自衛隊員との激突」も生々しく描かれ引き込まれました
"軍人のような義務を負わされる局面はあるが軍人としての権利はない。" この国際舞台での自衛隊員を取り巻く有り得ない現実を、海上自衛隊で特殊部隊を創設した著者ならではの筆力で物語にされ、ここが特に胸に響きます。
特殊部隊隊員の能力といえば、ハリウッド映画風に、鍛え抜かれた肉体と技量がまず頭をよぎりますが、それに加えて、変化する戦局の背後にある国際的な政治外交的駆け引きも即座に分析すべき頭脳と訓練が必要なのだと思い知らされます。作戦の詳細や地図やデータを敵に絶対奪われないように、完璧に記憶する能力も当たり前に求められます。素養と訓練から五感だけでなく霊感含めた六感七感をも使いこなせる点や、チームにはテレパシーに近い能力も生まれる点も納得させられました。しかしながら戦場ではそれだけの人材も実力を全く発揮できずに消滅してしまうこともあるという残酷な現実も思い知らされます。
予想通りですが、特殊部隊隊員の技量でいえば、やはり日本の自衛隊特殊部隊の隊員の技量は世界指折りなんでしょうね。アメリカの特殊部隊隊員との個人、そしてチームとしての比較の議論も著者が著者だけに興味深いです。
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