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第123回 ペットとブロックチェーン
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▼今回の記事
今回は、ペットの管理とブロックチェーンについて紹介する。ただ、この分野はいくつか有力なプロジェクトはあるものの、始まったばかりのようで立ち上がったプロジェクトの数は多くはない。いつもはひとつの分野をその1とその2の2回に分けて掲載しているが、今回は1回だけの紹介になる。
▼ペットとブロックチェーン
一時は「ネコノミクス」という言葉も流行するほど、ペットはブームになっている。新型コロナウイルスの影響でテレワークが拡大し、自宅にいる時間が長くなっているので、ペットの飼育はストレスを溜めがちになる籠もったライフスタイルにとって、大きな癒しにもなっている。そのため、新型コロナウイルス以降、新たなペットブームが起こっている。ユーチューブでは動物の動画があふれており、ペットを紹介するテレビ番組も多い。
しかしそうしたなか、ペットにまつわる問題も多い。迷子になるペッも多いだけではなく、特に最近災害が非常に多くなり、避難の途中で行方不明になったり、避難所で拒否されたため、ペットだけが自宅に止まらざるを得ない状況も出てきている。この過程で行方不明になったりする。こうした問題を解決するために、ブロックチェーンの適用が期待されている。以下がそうした分野だ。
1)生体情報を利用した鼻紋個体認識技術
人間の指紋のように動物の鼻のシワ模様は、一匹一匹異なっているため、鼻のシワ模様で個体を識別することができる。個体を管理するための手法の1つとしていまはマイクロチップを埋め込んでいるが、これは動物を傷つけてしまう可能性がある。鼻のシワ模様を利用した鼻紋個体認識技術は動物を傷つけず、個体識別を正確に行うことができる。登録されるデータは、デジタル証明書、血統、所有権などになる。
ちろんこれは、犬だけでなく猫、牛、豚など様々な動物に活用することができる。これをブロックチェーンに登録すると、個体の識別がスマホのアプリを通して可能になる。
2)GPSの位置情報の登録
最近は、ペットの首輪などに装着できる小型のGPSが開発された。これらのデバイスは少ない電力消費で稼働するので長時間動作し、ペットの位置情報をリアルタイムで表示する。この位置情報を逐次ブロックチェーン上に記録すると、スマホで参照できる信頼性の高い位置情報になる。
また、万が一バッテリーが切れた場合でも、切れる直前の位置情報がブロックチェーンに記録されているので、ペットを見つけやすくなるはずだ。
3)ペットの健康と保険
ブロックチェーンに記録されるペットの固体情報には、ペットの健康状態も記録できる。それには、ペットの動物病院の受診記録、健康状態、食べているペットフード、そして保険契約などの記録が登録できる。動物病院はこれらの記録を参照し、医療サービスを提供できる。
4)ペット遺棄の犯罪防止
もしこうしたペットの情報が個体識別情報としてブロックチェーンに登録するシステムがあれば、遺棄されたペットの所有者がだれであるのか簡単に追跡することができる。いま先進国を中心として、ペット遺棄に厳罰を適用する方向になっているが、ペットの個体識別情報のブロックチェーンへの登録は、遺棄したオーナーを特定し、これに厳しい罰則を適用できるので、ペットの遺棄を防ぐことができる。
▼注目されているプロジェクト
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