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【Vol.337】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
読者の質問に答えて、 (Question) 日本は構造改革できると思っていらっしゃいますか。 (Answer)  構造改革については、勿論困難は感じています。ただ、問題はゼロか10 0かという二択ではありません。  ハンコや原本にこだわる会社が、あるいは会社を食い物にするためにペー パーにこだわる税理士がゼロになるのが理想です。ですが、少しでも改革を 進めて生産性を上げていく企業が増えれば、それだけ日本経済の滅亡は回避 できると思います。  英語での資金調達、民事係争がマトモにできて、英語圏でマトモな最終消 費者向けのマーケティングができる会社が1つでも増えれば、これも同じこ とで、それだけ日本経済の衰退は減速させることができます。  ですから二者択一ではないのですが、問題はリニアでもないということで す。改革の程度と効果がゼロ%から100%まで一直線になっているのでは ない、そこには臨界点があるということです。  ある臨界点に達しない企業は、優秀な人材を集めることができず淘汰され ていきます。またそうしたゾンビ企業に対して過大な支援を行えば、当然リ ターンがないので国も淘汰されてしまいます。ですから改革を進める中で、 破滅を回避できる臨界点については少なくとも越えていくように設計を行わ ねばダメだということです。  ということは、政府にも、地方自治体にも、そして大中小の各企業にも、 見えない蒋経国=李登輝が活躍して、守旧派を各個撃破していくようにしな くてはなりません。そうした動きをコツコツと応援しつつ、どうしても非連 続的な改革が必要な場合はその機会を探ることになるのではないでしょうか。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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