<前立腺がん診療と骨の健康 その5 骨転移に対するゾーフィゴ治療とは >
この配信を読まれている方は、進行前立腺がん、転移性前立腺がんの診断を受けたご本人もしくはそのご家族と思います。
前立腺がんの遠隔転移は大半が、骨転移です。
去勢抵抗性前立腺がんの状態になり、悪化すれば、前立腺がんの治療は骨転移に対する治療が中心と言うことができるかもしれません。
前立腺がん治療の骨の健康の目標は、
1.骨粗しょう症とその合併症(骨折)
2.骨転移の出現と悪化
骨転移があって痛みなどがあっても、去勢感受性前立腺がんの状態では、内分泌療法が一番効果のある治療です。
問題は、内分泌療法の効果がなくなった去勢抵抗性前立腺がんの状態で、骨転移が悪化・多発・増大してきたときです。
PSAが上昇し、骨転移のマーカーであるALPが上昇してきます。
このころになると、骨転移の部位の痛みがでてきて、生活に支障が出てきます。
痛みの程度が強いと、安眠もできない場合もあり、行動も制限され、重大な問題となります。普通の生活ができなくなる恐れがあります。
痛みが強ければ、生活は制限され、筋力も落ちて、悪循環に陥る患者さんも出てきます。
また、脊椎に転移が及び、腫瘍が増大して、脊髄神経を圧迫して、その部位以下の神経を障害・損傷して、麻痺を起こす場合もあります。
去勢抵抗性前立腺がんの治療は、新規内分泌療法薬、抗がん剤などが選択されることが多いわけですが、最初に効果が出ても、永遠には効果は続きません。
効果がなくなれば骨転移も徐々に悪化増大多発してきます。
ゾーフィゴという治療について聞かれたことはありますか。
去勢抵抗性前立腺がんとなり、骨転移が多発増大して、痛みなどの症状がでてくれば、ゾーフィゴは、大きな重要な選択肢です。
ゾーフィゴは、骨転移を標的にする治療です。
骨転移が悪化していて、内臓転移がない去勢抵抗性前立腺がんの患者さんに、使う薬剤です。
クリニックでは、受けられない治療です。
しかし、効果が証明された治療ですので、紹介・解説します。
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