週刊 Life is Beautiful ２０２０年８月１８日号、mmhmmのビジネスモデル、オプション取引

今週のざっくばらん mmhmmのビジネスモデル ベータ版がリリースされて以来注目している mmhmm ですが、これまではあまりビジネスモデルが見えませんでした。アプリそのものは素晴らしいと思いますが、アプリを販売するビジネスモデルの時代は既に終わっており（これに気が付いていない人・会社もまだ沢山いるようですが）、そんな会社に Sequoia Capital ほどの VC が投資をするわけがないからです。 このアプリを使うと、Zoom で効果的なプレゼンが出来るようになるし、Youtube 向けの映像も作りやすくなります。しかし、それだけでは、特をするのは Zoom と Google だけであり、mmhmm にとってのメリットが見えないのです。 しかし、今回のベータ２に Interactive Recording という機能が追加され、ようやくビジネスモデルの一部が見えて来ました。Interactive Recodging とは、mmhmm を使ったプレゼンを、メタ情報付きで mmhmm のウェブサイトにアップロードして公開する機能で、これを使うと、スライドを切り替えるたびにそれがキーフレームとして記録されるため、後から観る時に頭出しなどが簡単に出来るため、ユーザー体験が圧倒的に優れているのです。 ビデオもレイヤーごとに記録されているため、話者を隠す、スライドを全画面表示する、などが自在に出来るのも大きな利点です。 これらの利点は、（いまだに早送り程度の機能しかない）Youtube と比べて圧倒的に優れており、これだけ見ても、「プレゼン動画のアップロード先として、既に mmhmm が Youtube より適している」ことを示しています。 mmhmm は、その容易さにより、「映像で情報発信する人たち」の数をこれまでの数倍に増やすと私は見ていますが（私自身が Youtube に再び配信し始めたのが、良い例です）、その増えた映像のアップロード先が、Youtube ではなく、mmhmm になる可能性が十分にあるのです。 一度、多くの人たちの「情報発信サービス」の地位を得ることが出来れば、そこから広告費を得る、マイクロ課金や月額課金の仕組みを導入するなどは、簡単に出来るので、それによって、サービス・レベニューを上げることが可能なのです。 つまり、mmhmm のビジネスモデルは、ソフトウェアの売り切りビジネスではなく、Interactive Presentation の配信サービスであり、Software as a Service ビジネスなのです。Twitch がゲーマー向けのビデオ配信サービスなのに対して、mmhmm は、プレゼンテーター向けのビデオ配信サービス、と言っても良いと思います。 私を含め、多くの人は「Youtube に対抗するサービスを立ち上げることは無理」と思い込んで来たところに、この方向（Interactive Presentation）からのアプローチは本当に素晴らしいと思います。 ちなみに、mmhmm は、私が数年前から「教育のあるべき姿」として強く推薦している「反転教室」ともとても相性が良いと思います。 ベータ版は、Macを持っている人ならば誰でも手に入れられるようなので、是非とも入手してください。 コロナ後の世界：ピンチをチャンスに