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伏木悦郎のメルマガ『クルマの心』
第394号2020.8.18配信分
●ベンツ/ダイムラーの100年前に存在したキュニヨーの蒸気自動車
長梅雨で8月に入ってやっと夏らしくなったと思ったら、連日の酷暑で茹る
日々が続いている。夏らしいと言えばそうだが、猛暑日の連続は老体には堪え
る。浜松市では観測史上最高タイの摂氏41.1度を記録したと報道された。これ
を受けて即座に地球の気候変動に結びつける声が高まるが、本当にそうだろう
か。18世紀後半(1760年頃)から19世紀前半(1840年頃)までという長期にわたる
『産業革命』がイギリスで興り、文明のダイナモといわれるエネルギーとして
化石燃料が始めて大規模に用いられた。
蒸気機関の歴史は以前から存在したというが、実用的な発明は1769年のジェ
ームス・ワットが有名だ。その蒸気機関を動力源としてモビリティに活用した
例としてジョージ・スチーブンソンが登場するのは19世紀(1812年)に入ってか
ら。鉄道を走る蒸気機関車の発明はスチーブンソンだと義務教育時代の歴史で
習った記憶が鮮明だが、半世紀以上前の教科書制作者が得ていた情報ではそう
いうことだったのだろう。
実は蒸気自動車の発明はワットの蒸気機関と同じ1769年で、フランス陸軍技
師でスイス人のニコラ・ジョゼフ・キュニヨーの大砲牽引車だった、という。
18世紀中頃の日本はといえば徳川260年の後半で、第10代将軍徳川家治の治世。
当然鎖国時代であり、世界史における日本史の重要度は窺い知れない。そもそ
も世界史と日本史は別物扱いであり、それぞれを関連づけ相対化して考えると
いう発想が戦後教育に決定的に欠けていた視点だろう。
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