第123号(2020年8月21日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
毎週お読みくださりありがとうございます。
第1部【無敵の交渉・コミュニケーション術】のコーナーでは、
今回は【問いを立てることの重要性】についてお話しいたします。
国際情勢に目を移すと、今週はいろいろな案件が進行中です。
一つ目は、ベラルーシにおいて10万人規模にまで膨らんだルカシェンコ大統領の6選に異議を唱える反体制派のデモと、
それを巡る欧米ロシアの動きです。
ルカシェンコ大統領による過去の裏切りを許せないが、
同時に欧米によるベラルーシの取り込みも避けたいプーチン大統領のロシアの思惑と、
ウクライナ問題以降悪化しているロシアとの関係と対ロシア脅威に直面しつつも、
シリア問題を含むEUの安全保障に直接的な影響があるイシューでロシアとの協力が不可欠であるため、
ロシアとの距離に悩むEU各国。
非常に見ていて面白いと同時に、どこか堰が崩れると一気にドミノのように安定が崩れかねない状況ともいえるため、
引き続き注目したいと思います。
二つ目は、イスラエルとUAE (アラブ首長国連邦)との電撃的な和解と国交正常化がもたらすアラブ再編の動きです。
背後にアメリカがいることは間違いないのですが、イスラエルの“アラブとの和解”の矛先は、
オマーン、スーダン、そしてサウジアラビアへと向けられており、
中東地域における“新しい”イラン包囲網の強化というように捉えられます。
イランが激しく反応し、パレスチナが怒り狂う事態になり、
さらには中東再編を目論んでいるトルコも激しく非難するなどアラビア半島周辺での勢力圏の二分化が進行しています。
サウジアラビアはパレスチナ問題を飛び越したイスラエルとUAEのディールからは距離を置くという決定をしているようですが、
今後、大きな波になり得る事態ですので、しっかりとアップデートしたいと思います。
三つ目は、これまで3週にわたりお話ししてきている米中対立が多面化してきており、
その影響はコロナ禍で苦しむ国際経済にも重くのしかかっています。
また、安全保障面でも非常にきな臭い状況になってきています。
第2部【国際情勢の裏側】では、今週進行中の諸々の国際案件の中から、
【米中対立の激化とコロナが蝕む国際政治経済の行方】
について詳しくお話しいたします。
それでは今週号、スタートします★
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