<前立腺がん診療と骨の健康 その7 骨転移による疼痛対策>
前立腺がんの遠隔転移は大半が、骨転移です。
去勢抵抗性前立腺がんの状態になり、悪化すれば、前立腺がんの治療は骨転移に対する予防・治療と言い換えることができるかもしれません。
前立腺がん治療の骨の健康の目標は、
1.骨粗しょう症とその合併症(骨折)
2.骨転移の出現と悪化 に対する予防と治療
に集約されます。
骨転移があって痛みなどがあっても、去勢感受性前立腺がんの状態では、内分泌療法が一番効果のある治療です。
問題は、内分泌療法の効果がなくなった去勢抵抗性前立腺がんの状態で、骨転移が出現・悪化・多発・増大してきたときです。
PSAが上昇し、骨転移のマーカーであるALPが上昇してきます。
このころになると、骨転移の部位の痛みがでてきて、生活に支障が出てきます。
痛みの程度が強いと、安眠できない場合もあり、行動も制限され、重大な問題となります。普通の生活ができなくなる恐れがあります。
痛みが強ければ、活動は制限され、筋力も落ち、運動不足となりさらに筋力が落ちるといった悪循環に陥る患者さんも出てきます。
去勢抵抗性前立腺がんの治療は、新規内分泌療法薬、抗がん剤などが選択されることが多いわけですが、効果が出れば、痛みも軽減します。
去勢抵抗性前立腺がんに対する全身治療が、やはり骨転移の悪化・痛みには有効です。
しかし、去勢抵抗性前立腺がんになれば、新規治療でも、永遠には効果は続きませんし、現時点では、根治は無理ですから、痛みも完全にとれないことも多いです。
効果がなくなれば骨転移も徐々に悪化増大多発してきます。
前回、前々回とゾーフィゴ治療について解説しました。
骨転移による疼痛は大きな問題です。
骨転移による痛みに対しては、痛み止め(鎮痛薬)、放射線照射、神経ブロック、ゾーフィゴやメタストロン、ゾメタやらランマークといった治療が実施されています。
今日は、骨転移の疼痛治療とくに鎮痛薬に関して解説します。
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