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[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.460]長ければいいってもんじゃない安倍政権“悪夢”の7年8カ月

高野孟のTHE JOURNAL
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.460 2020.8.31                  ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1062》    長ければいいってもんじゃない安倍政権“悪夢”    の7年8カ月ーー残されたのは負の遺産ばかりの    ガラクタの山     【2】《CONFAB No.461》    閑中忙話(8月23日~29日) 【3】《FLASH No.371》    河井夫妻立件の仕方に疑問…検察はヤル気を失っ    ている?ーー日刊ゲンダイ8月27日付「永田町を    読む」から転載 ■■ INSIDER No.1062 2020/08/31 ■■■■■■■■ 長ければいいってもんじゃない安倍政権“悪夢”の7年 8カ月ーー残されたのは負の遺産ばかりのガラクタの山 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  安倍晋三首相が8月28日、辞任を表明した。  一人密かに辞任を決断したのは24日、今月2度目の慶 應大学病院での診察で持病の悪化を告げられた後だっ た。その日が第2次安倍政権が発足してから2799日目 で、大叔父=佐藤栄作を連続在任期間で抜いて歴代トッ プを記録した日だったというのは、偶然ではない。6月 に体調不全が始まって以来、国会は開かず会見は持たず 会食も控えるという半ば蟄居生活を送り、体も心も衰え ていく中で、「長い割にはろくな遺産も残せずに終わる のだとすれば、せめてその長さだけでは歴代最長を達成 して去ろう」と思い詰め、ようやくこの日にまで辿り着 いて、そこで力尽きたのである。  逆に、今になって振り返ると、とにかく長く続けると いう以外に、安倍政権には目標がなかったのかもしれな いとさえ思えてくる。自らに課した最大の課題であった はずの「憲法改正」にしても、96条お試し改憲論から始 まって、閣議決定による解釈改憲、9条1項2項温存の まま3項付け加え論など、こちらがダメならあちらはど うかとメニューをコロコロと入れ替えて、何ひとつ成果 が上がらなくとも「やってる感」だけは振り撒き続ける というのは、政権を長続きさせるための策略だったので はないか。「アベノミクス」も「拉致」も「北方領土」 もみな同じで、結果が出るまで突き詰めていくと上手く いかなかった時に責任を問われて政権が短くなってしま う危険があるから、最後まで行かずに横っ飛びして目先 を変えてしまう。  「モリカケ」や「桜を観る会」や「河井夫妻1億5000 万円」など数々の疑惑から逃げまくって、世間が忘れて くれるのをひたすら待つかのようであるのも、きちんと 事実検証をして説明責任を果たそうとすれば、何度辞任 しても足りなくなるからに違いない。こんな風に、嘘、 強弁、言い逃れ、誤魔化し、隠蔽、改竄、目眩し、引き 伸ばしのようなことを日々重ねていては、心が病んでい くのは当たり前。彼が難病を抱えているのは気の毒で、 少しでもよくなって安穏な余生を過ごせるようになるこ とを願うものではあるけれども、この病を悪化させる最 大の原因である精神的なストレスを自分の中に呼び込ん で溜め込んできたのは彼自身で、それは、「落ち着きが なく絶えず動き回ってしまう」「思いついたことを突発 的に行動に移す」「何かをやり遂げることが苦手」等々 の多動症的な性格によるところが大きい。その意味では 自業自得とも言える結末と言える。 ●ダメ押しとなったコロナ対策の迷走

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