2020年 第 33号
【長尾和宏の「痛くない死に方」】
皆さん、こんばんは。長尾和宏です。
9月に入って、ワイドショーやニュースは一変して、「コロナ」から「総裁選」の
話題一色になりましたね。僕は、YOUTUBEコロナチャンネルで、この夏さんざん
ワイドショーが必要以上に煽る(とくにテレビ朝日系)ことにより、高齢者のステ
イホーム症候群(シャムズ)が増えていることをお伝えしてきました。
「存在の耐えられない軽薄さ」。今のテレビ報道を見ていると、そんな言葉しか浮か
んできません。政治にしたってそうです。忖度だらけの次期総裁報道。政治家お抱え
の政治評論家。政策の内容は語らずに、奥さんの話とか、好きな食べ物を紹介。
大丈夫なの? この国。そんな話をメディアの人とすると、「テレビは、視聴率の
世界。視聴者の動向を見て番組を作っているだけ」だと言います。
昔、たしか作家の小林信彦さんが、「テレビもラジオも、番組と番組のあいだにCMが
流れているのではなく、CMとCMのあいだに番組が流れているようなものだ」と何
かに書いていたのを、思い出します。
だから、「死」のこともなかなか扱われないのです。この国のテレビは、視聴者なんて
はっきり言ってどうでもいい。お金を出してくれるスポンサーだけを見ています。
だからと言って、NHKが健全かといえば、そんなことはありません。もう皆さん、
忘れてしまったかもしれませんが、2001年に起きたNHK番組改編問題によって
多くの優秀な作り手たちは、Eテレに異動になったといいます。(だから最近のEテレ
系の番組は面白いのかもしれません)。
劣化したとはいっても、やはり、どんなメディアよりも影響力を持っているのが未だ
テレビであることは間違いありません。その権力だって、相当なもの。しかし、これ
ほどテレビにウンザリした年は今までなかったな……と思っていたら、最近、ワイド
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