<前立腺がん診療と骨の健康 その8 きわめて深刻な脊髄圧迫症候群>
いままで歩けていた人が、急に歩けなくなります。
ひどい痛みがでて、尿失禁、便失禁の状態で、排尿もできなくなり、尿道にカテーテルを入れられ、おむつで寝たきりの状態になる。
こうなると、患者さんのショックは計り知れないものがあります。
今日は、極めて深刻な『脊髄圧迫症候群』の話をします。
前立腺がんの遠隔転移は大半が、骨転移です。
去勢抵抗性前立腺がんの状態になり、悪化すれば、前立腺がんの治療は骨転移に対する予防・治療と言い換えることができるかもしれません。
骨転移による特殊な病態として
脊髄圧迫症候群
というものがあります。
前立腺がんでは、骨転移が多く、脊椎転移(背骨への転移)も多くみられます。
脊椎管内には太い脊髄神経が入っていて、全身へ神経をはりめぐらしています。
脊髄神経の損傷は、不可逆的な、元に戻らない重大な事態を引き起こします。
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