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高野孟のTHE JOURNAL Vol.462 2020.9.7
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1063》
安倍の何が何でも石破が嫌だという個人感情が生
んだ菅政権ーーこんなふうにして自民党は時代か
ら取り残されていく
【2】《CONFAB No.462》
閑中忙話(8月30日~9月5日)
【3】《FLASH No.372》
安倍“首相”になっても変わらなかった一知半解
の政界遊泳ーー日刊ゲンダイ9月3日付「永田町
を読む」から転載
【4】《SHASIN No.407》付属写真館
■■ INSIDER No.1063 2020/09/07 ■■■■■■■■
安倍の何が何でも石破が嫌だという個人感情が生んだ菅
政権ーーこんなふうにして自民党は時代から取り残され
ていく
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安倍晋三首相が仮に、失政を批判され総選挙で大敗し
たとか、スキャンダルで身動きもとれなくなったとかで
辞任表明したのであれば、第2次安倍政権7年8カ月の
全期間を官房長官として支えてきた菅義偉は安倍と一緒
に真っ先に辞めるべき存在であって、後継者になれるは
ずがない。たまたま安倍の辞任理由が病気であったため
に、菅にもチャンスが転がり込んできたのである。
●麻生の臨時代理でもよかったはずが
とはいえ、病気辞任の場合に最も自然かつ無難で何の
「政治空白」も生じないのは、麻生太郎副首相が来年9
月までの1年間、臨時代理を務め、その時点で本格的な
総裁選を実施するというコースであったはずではないの
か。内閣法は第9条で「内閣総理大臣に事故のあると
き、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定す
る国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う」と
定めていて、その予め指定された職務代行者を俗に副総
理、副首相と呼んでいて、それが麻生だからである。
安倍も最初はそうするつもりだったようで、8月に入
った頃から何度も麻生と2人だけの時間をかけた会談を
行なっている。が、この案は不採用となった。最大の理
由は麻生の年齢で、今年9月20日で80歳となる彼は、た
とえ1年間でも臨時代理を務める体力・気力を維持する
のは容易でなく、まして来年9月の総裁選に立候補して
その先も政権を続けることなどあり得ない。とすると、
その総裁選は岸田文雄政調会長と石破茂元幹事長を軸と
した戦いとなり、石破が勝つ可能性が出てくる。それが
安倍も麻生も死ぬほど嫌なのだ。そこで、岸田への政権
引き渡しという既定路線で行くことになった。
●やっぱり岸田への政権譲渡にしようとしたが
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