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週刊 Life is Beautiful 2020年9月8日号

週刊 Life is beautiful
今週のざっくばらん Serendipity (セレンディピティ) 突然ですが、シリコンバレーのとあるベンチャー企業に、株主兼開発チームの一員として加わることになりました。 先週のメルマガに、Windows 95 の開発に加わることが出来た件について、「"in the right place at the righttime" としか表現のしようがない幸運」と表現しました。とは言え、そんな場所にいることが出来たのは、(当時の理系エンジニアの憧れの的だった)NTTの研究所から(当時は無名だった)Microsoftというベンチャーに転職したからです。 キッカケは、Microsoft が日本法人を作るという新聞の記事で、その記事を読んだ瞬間に、「私はここで働くしかない」と感じたのです。自分が探していることにすら気がついていないものが、目の前に提示された瞬間に「これだ!」と気がつくような不思議な感覚です。英語では、そんな事象のことを Serendipity と呼びますが、まさにそんな感じです。 最近、それと同じようなことが起こりました。シリコンバレーのあるベンチャー企業が、製品のベータ版を発表したのですが、それを見た瞬間に「これこそが私が求めていたものだ!」と気がついたのです。エンジェル投資家として是非とも投資したいし、可能であれば製品開発も手伝いたいと思ったのです。 そこでいてもたってもいられなくなり、知り合いを通じて、CEOに紹介してもらったのが、先々週です。私は、すぐにでも話をしたかったのですが、お互いの都合が合わず、ようやく先週の水曜日にZoomミーティングをすることになりました。 時間は45分もらえたので、その時間をどう効率的に使うべきかを丁寧に考えました。私は、その会社と私の相性は最高だと知っていますが、先方は私のことを知らないので、まずはそこを理解してもらう必要があります。 スライドを用意して自己紹介をしても良いのですが、それであれば私の経歴をメールで前もって送っておけば十分であり、貴重なミーティングの時間を使う必要はありません。 その製品をどう進化させるべきかについては色々と妄想が膨らんでいましたが、アイデアだけならば誰でも出せるので、私が得意なプロトタイプを作ることにしました。 プロトタイプは iPhone 上で作ることにしました。iPhone とその製品の相性が良いというのもありましたが、SwiftUI (Apple が iOS 13 で導入した、宣言型の開発環境)を試してみたいというのもあったからです。 SwiftUI は、これまでの UIKit とは大きく違い、最初は戸惑いましたが、2日ほど実際にコードを書いていると大体の要領はつかめ、月曜日には見せる価値のあるプロトタイプが完成していました。 そして当日は、軽い挨拶の後に、プロトタイプを見せながら、なぜ私がその会社にそんなに期待しているかを語っているうちに意気投合してしまい、次のラウンド(資金集め)には私も投資家として参加させてもらえるし、開発にも関わらせてもらうことになりました。具体的な企業名は、その会社から正式発表があった時にします。 これが再び Windows 95 のような大成功に結びつく保証はありませんが、こんなチャンスに巡り逢えるだけでこの業界で働いていてつくづく良かったと思います。 バフェット氏はなぜ日本の商社の株を購入したのか

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