第126号(2020年9月11日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
毎週お読みくださりありがとうございます。
ちょうど今号が発行される今日9月11日は、19年前に同時多発テロ事件が起きた日になります。
私も大事な友人や同僚を亡くしました。
その日を境に、残念ながら、世界は憎しみの連鎖が紛争やテロ行為という形で続くようになってきました。
その中でまた、多くの命が奪われ、多くの日常が奪われました。
私自身、調停官としてそれら多くのケースに携わることになりました。
その後、次第に国際協調の尊さが再認識され、世界はまた一つになろうとしていた矢先、
トランプ大統領と彼の信奉者たちが撒いた【自国ファースト】の種は、世界中に再度亀裂をもたらし、
そこに新型コロナウイルス感染症のパンデミックが重なって、
私たちはまた非常に不安定な感情の下、日々を送ることになってきています。
9月11日にまたいろいろなことを考え、自らの役割について思いを深めたいと思います。
さて、第1部【無敵の交渉・コミュニケーション術】のコーナーでは、
今週取材を受けた内容にちょっと悲しくなることがありましたので、その内容について私の考えをお話ししたいと思います。
それは【日本人は本当に交渉が下手なのか?!】です。
そして国際情勢に目を移すと、今週はいろいろな案件が進行中です。
一つ目は、アメリカのトランプ大統領が“仲介”したらしいセルビア共和国とコソボ共和国の和解に向けたディールです。
とはいえ、公式な条約の形ではないですし、あくまでも両首脳間の覚書・合意という位置づけですが、
経済的な面から交流を始めるという前向きな動きとも捉えられるかもしれません。
コソボに関する問題には大きな思い入れもありますので、詳しくは【2】のコーナーでお話ししたいと思います。
二つ目は、混乱を極める中東・北アフリカ地域そして欧州諸国を巻き込んだ地中海問題ですが、
これをオーケストレーションしているのが、トルコのエルドアン大統領です。
トルコの“企み”がどのように今後発展していくのか。今後の国際情勢を占う上で目が離せません。
三つ目は、【中国は本当の覇権国になれるのか】という問いです。
特に経済的な覇権国としての地位を築くことができるか。
そしてそれは軍事・安全保障面での覇権にもつながり、アメリカと並ぶ超大国として位置づけられることになるのか。
ASEANでの米中の撃ち合いを見てみても、非常に気になる問いではないでしょうか。
第2部【国際情勢の裏側】では、その中でも
【セルビア共和国とコソボの“和解”は安定へのスタートか。それとも新たな混乱へのslippery slopeなのか?】
についてお話しいたします。
それでは今週号、スタートします★
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