━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
高野孟のTHE JOURNAL Vol.463 2020.9.14
※毎週月曜日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
《目次》
【1】《INSIDER No.1064》
どうも短命に終わりそうな菅義偉政権ーー10月解
散・総選挙はいくら何でも無理筋では?
【2】《CONFAB No.463》
閑中忙話(9月6日~12日)
【3】《FLASH No.373》
「安倍なき安倍政権」という首なしお化けのよう
な新政権ーー日刊ゲンダイ9月10日付「永田町を
読む」から転載
★付属写真館はお休みです。
■■ INSIDER No.1064 2020/09/14 ■■■■■■■■
どうも短命に終わりそうな菅義偉政権
ーー10月解散・総選挙はいくら何でも無理筋では?
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
安倍晋三首相が辞任表明した直後に内閣支持率が急上
昇したことを以て、自民党の一部には「勢いのある早い
うちに解散・総選挙を打つべきだ」という声が出、マス
コミもそれを囃しているが、これは勘違いも甚だしい。
共同通信で8月23日の36%から30日の57%へ1週間で
21ポイントも跳ね上がったこのアップ分には、安倍支持
者の「今回はみっともない投げ出しじゃなくてよかっ
た」「でも安倍さん、かわいそう」といったねぎらいや
同情の念だけでなく、むしろそれ以上に安倍批判者の
「あ~あ、ようやく辞めてくれたか」「明日からあの顔
を見なくて済む」といった安堵感のようなものも含まれ
ていて、いずれにしても次を襲う菅義偉官房長官に対す
る積極的評価や期待感を表す数字ではない。
菅自身が「国民が一番やってほしいのはコロナを1日
も早く収束させ安心して生活できるようにすることで、
こういう状況で解散などということではない」と常識論
を述べ、また総選挙となれば要となる二階俊博幹事長も
「いま早急に国民に問わなければいけない課題が存在し
ているわけではない」と珍しく正論を吐いているのは、
お惚けではない。多くの国民の生死が懸っているコロナ
禍への対応責任は権力を握る者にとっては岩よりも重く
背中にのしかかっているのであって、軽々に「解散」な
ど口にしているのは河野太郎のような脳天気なボンボン
だけである。
メディアもそれを面白がって煽るのは止めたほうがい
い。首相が国民の切実な関心事とは無関係な自分勝手な
政局運営上の都合で解散を弄ぶから、選挙の度ごとに投
票率が下がっていく。こんな馬鹿なことはすべきではな
いと諫めなければならないはずである。さらに突っ込ん
で行くつもりなら、石破茂元幹事長が今回の討論の中で
も持論として主張したように、憲法第7条を曲解し、天
皇を政治利用して首相が好きな時に解散を打てるという
吉田茂以来の悪弊を止めるべきだという議論を、大いに
沸騰させなければならないのではないか。
●どうにもタイミングが難しい総選挙
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)