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【死んでも書きたい話】 「日本が返事しなくなった」

安田純平の死んでも書きたい話
今回は日記の2015年12月27~31日までです。 【2015年12月27日(日曜日)】=拘束183日目 朝飯後のノック完全無視。もうノックは無駄だろう。一度こうして民間人を人質にして虐待しても正しいと思ってしまった人間は元には戻れないだろう。金がないからとか言っていつでもまたやる。この類の連中が全員死んでからでないと革命は成立しないと思う。ただのギャング国家にしかならない。天国行きたくてやってるんだから革命が成る前に全滅すべきだ。 ※トイレ行きたくても行けない状態で頭にきて書いているので適当に聞き流していただきたい。※ 通訳は本当に解任されてたのかも。奴らは奴が死んだことを気にもしていない。「グッドマン(いい奴)だったか?」とオレに聞いてたが、奴らはそう思ってなさそう。奴が来なくなってから飯が格段に改善されたのは、奴は予算を全て渡してなかったからかもしれない。 12月7日の個人分情報を書いた文章は奴なしで送られた。奴がここをまだ仕切っているなら奴が行き来したはず。となると解任されたのならオレの荷物も別の場所に移されてる可能性も?とにかく良いように解釈するしかない。 29日というのも個人情報を送ってみて「2週間様子見て帰す」かもなので、そこで改めて日程が決まるのかも。29、30日の解放でなくても嘆いてる場合ではない。 完全に無視して喋ってるのでボトルに小便済ます。今後ノックはしない。昼飯も来ない可能性があるが、晩飯をどう3回に分けるか考える必要がある。 昼アザーンで自称シリア人の見張りアハマドがカップヌードル2つ。トイレ行かすというのはボトルにやったの気づいてない?明日はノックしない。ヌードルは1食122キロカロリーなのでカロリー的には2つでもOKだが、汁飲むと腹がきつい。しかし熱いスープもったいなくて飲んでしまう。今後は午前は我慢しないでボトルにやるので水もちゃんと飲める。朝早めにもよおしたら普通にボトルですませばその後また寝れる。 みかんはあと8つ。1食1つで29日の夜に終わる。30日でまた大量に来るようならまだまだ続くということか?「 今日は18日?あと11で日本」という言い方が29日から逆算した言い方なのだが、通訳が「11日後」と言うときは12日目をさしたように、よく分からん。超面倒な言い方だが。数日前にあと何日と言われてたらその日から18日目までを計算したということか。 18:00、現場監督のアブハサンが戻り電気。3時間ほど寝てたか。18:30、アハマド。またグリルチキンと辛いソース付きホブス。ごまペーストとタマル(ナツメヤシ)も食ったら食い過ぎた。おかずの種類多い主食を食い過ぎる。 シリアのジュネーブ和平会議は1月25日。その前1週間でそれなりの映像を持ち帰る。機材が戻らないと本当にムダになる。戻らなかったらどうする。借りる。ガイドのムーサに受け入れと機材借りられるか聞いてもらう。 どう帰されるか。フェンスに放置なら国境警備隊が来るだろうし完全アウト。こればかりは分からない。最悪のケースだが、その時は今あるものだけでやるしかない。和平会議で大きく状況変わると思えないし。最悪の場合でも改めて来る体制つくるしかない。荷物どこにあるか今のうちから探さないと「忘れてた」とか「通訳の家だから分からん」とか言うので今から探すよう、ノックで来たおそらくシリア人のひょろながアブフセインに頼む。1カ月以上ぶりに来た。もう最後だから?

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  • ジャーナリスト安田純平が現場で見たり聞いたりした話を書いていきます。まずは、シリアで人質にされていた3年4カ月間やその後のことを、獄中でしたためた日記などをもとに綴っていきます。
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