■ヤバいモチベーション
モチベーションに意志力はいらない。そもそも、人の意志は当てに
ならない。仕事も勉強も趣味も「始めよう」「続けよう」とする時、
意志の力は頼りにならない。意志で何とかするするのは無理なのだ。
努力家といわれる人、目標に向かってがんばり続けられる人、粘り
強く続けられる人は、やろうとする「しくみ」を持っているのだ。
意志ではなく、しくみで自分を動かすのだ。
たとえば「早起きしよう」とする時、意志だけではできない。なぜ
なら、眠っているからだ。起きる前に意識的に意志を働かせること
はできないのだ。
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そこで目覚まし時計をセットする。これも起きるための「しくみ」
の一つだ。だが、その時間に起きなければならない理由や起きた
い理由がなければ、アラームのスイッチは止められてしまう。
その時「朝6時に好きな人と公園で待ち合わせをして、一緒に散歩
をする」約束をしていたら、早起きが楽しみになる。「早起きしな
ければ」が「早起きしたい」に変わるのだ。
この場合、大好きな人と早朝に会う約束をすることが早起きをする
ための「しくみ」だ。つまり、何かをやり続けられる人は「やろう」
「やりたい」という気持ちが起きるしくみを持っている人なのだ。
モチベーションが起きるしくみをできるだけ多く知り、そのしくみ
を設定することだ。それさえでれば、誰でも自然とモチベーション
が上がるはずだ。つまり「やる気が湧いてくる」のだ。
★
起きたらすぐに風呂場へ向かい、シャワーを浴びることだ。お湯の
温度は、夏場で40度前後、冬場なら43度前後だ。体が「少し熱い」
と感じる程度に設定することだ。
そして、自分が気に入っている香りのシャンプーやせっけんで髪の
毛と体をササッと洗う。かかる時間は5分~10分程度だ。体には、
内臓、呼吸、発汗などをコントロールする自律神経がある。
自律神経には、交感神経と副交感神経がある。交感神経は主に活動
している時、副交感神経はリラックスしている時など、休息してい
る時に活発になる。
寝ているときは、副交感神経が優位になっている。起床してすぐも
同じだ。そこで「少し熱い」と感じるシャワーをササッと浴びる。
すると体を目覚めさせることができる。
また、お気に入りの香りのシャンプーやせっけんもポイントだ。嗅
覚は、感情や記憶に関わる大脳に直結しているからだ。人は好きな
香りを嗅ぐと、そのことに意識が集中し、脳がリセットされるのだ。
★
自分の気分や気持ちを、意志で変えるのは難しい。集中できない自
分に「集中しよう」と働きかけても惨敗する。だから、気持ち以外
の方法で働きかけることだ。
手っ取り早いのが、環境を変えることだ。たとえば、オフィスで仕
事している最中に行き詰まりを感じたら、近くのカフェに逃げ込む。
それが無理なら、会議室の一角や休憩スペースを使う。
そして「ここでは30分以内にこの仕事を終わらせよう」と決める。
その仕事に必要なものだけ持っていく。読みかけの本やスケジュー
ル帳などはすべておいていく。
どんなに「この仕事だけをしよう」と決めても、余計なものを持っ
ていくと誘惑に負けてしまうものだ。だから、余計な行動ができな
いしくみを作るのだ。
スマホを持っていく場合もこの間は「機内モード」にしておき、外
部からの連絡を断つ。そして「絶対30分以内に終わらせる」という
ように、時間を決めることがやる気を高めるコツだ。
こうすることで「仕事を終わらせる」という目標を、タイムアタッ
クという目標にすり替えるのだ。仕事を「時間内にクリアしなけれ
ばならないゲーム」にしてしまうのだ。
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