/ 2020年9月25日発行/第175号
たまさぶろの人生遊記 第175号完全版〜 バカ・スッチー、雑誌の生い立ち その1
週末なので軽く外で済ませようと、馴染みの焼き鳥屋へ足を運んだ。まぁ、月に2回ほどは足を運ぶので、余程混雑している時でない限り、ほぼ席が決まっているようなもので、そこに「予約」の札が置いてあった。
隣の大テーブルは若い女性3人で、この店にしては極めて珍しい客だった。3人とも細身の、どちらかと言えば美人と呼んでも良い感じで、まぁ、銀座のビストロなら気にもかけないが、いつも親父の巣窟となっている店では、目を見張るほど。
こうした資質が備わっている方とそうでない方がいるようだが、私は呑んでいても周りの会話がほとんど聴こえるタイプ。聖徳太子が一度に7人の話を聞き、回答したという逸話にもそれほど驚かない。雑誌『FMステーション』時代もそうだが、私は他人と雑談しながら、そのまま原稿を書き進めることができるため、隣の先輩に話しかけるのは常で、そうしながらワープロを叩き原稿を打っていた。
だが、先輩はちょっと様子が異なり、私が話かける度、時として身体の正面をこちらに向けてまで「そうなんだよ、君の言う通りなんだよ」などと相槌を打ってくれたもの。そして最後には「もう話かけるの、止めてくれよお。君はとっとと原稿終わるだろうけども、オレは人と話ながらは書けないんだから」と怒られたものだ。
別にその資質を自慢したいわけではない。席について3分後には、その3人がスッチー仲間であると理解した。新型コロナのこのご時世、すっかり仕事がなく暇であるというのが、メイントピックスだった。
Facebookにも現役スッチーやら元スッチーという知人はけっこういらっしゃるわけで、その職業でも割と賢い方と、とてもそうとは思われない方々もいらっしゃる。前者はかつての正社員で、後者は契約社員なのだろうと勝手に区分けしている。スッチーも昔と異なり、格差社会なのだ。
会話の内容は「前は18万マイルぐらい飛んでたのにねぇ。今はずっと自宅待機だしー」とまぁ、だらしなく語尾を伸ばす特有の喋り方で、とても聡明とは思われなかった。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)