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高野孟のTHE JOURNAL Vol.465 2020.9.28
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1066》
玉城デニー沖縄県政2年目の折り返し点
ーー菅政権と戦って再選を果たすには?
【2】《CONFAB No.466》閑中忙話(9月20日~26日)
【3】《FLASH No.375》
河野氏への期待と警戒「マヨネーズ地盤」辺野古
問題の行方ーー日刊ゲンダイ9月24日付「永田町
の裏を読む」から転載
【4】《SHASIN No.410》付属写真館
■■ INSIDER No.1066 2020/09/28 ■■■■■■■■
玉城デニー沖縄県政2年目の折り返し点
ーー菅政権と戦って再選を果たすには?
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この9月30日で玉城デニー沖縄県知事の丸2年の折り
返し点となるが、遠望する限りでは、安倍=菅両政権の
強圧策やコロナ禍など目先のことに追われて、2年後に
再選を果たすための総合的・立体的な戦略を立てるに至
っていないように見受けられた。そこで、先の連休中に
約1年ぶりに訪沖した機会に各方面の有力者や事情通10
数人と意見交換して現状と問題点を探ったので、その要
点を仮想Q&Aの形で報告する。
Q:玉城知事は元気なのか? 再選に向け着々手を打っ
ているのか?
A:元気でいつもニコニコと仕事をこなしていて、悩ん
でいるとか、2年後に再選できるかどうか不安だとか、
そういった様子は全く感じられない。本来明るい性格な
のだろうが、前回選挙で翁長同情票や若者浮動票が集ま
って思いのほか差をつけて当選したので、やや楽観論に
傾いているかもしれない。そうだとしたら危険で、なに
しろ相手は沖縄に対する意地悪を貫いてきた菅官房長官
が首相になるという沖縄から見たら最悪の事態であり、
彼がどんな陰険な手を使ってくるか分からない。すでに
6月県議選の後の県議会議長選で、自民・公明側は与党
の一角である「会派おきなわ」(旧県民ネット)に手を
突っ込んで赤嶺昇を押し立て、他の与党3派が推した崎
山嗣幸を敗るという奇策を用い、その結果「会派おきな
わ」は一応は与党の立場をとっているが、事実上、中立
化され、残された与党3派は計22議席で、過半数を制す
ることができなくなった。このように玉城県政崩しがす
でに始まっているというのに、「何を仕掛けてくるか分
からない相手と戦っていくのだ」という緊張感・危機感
は、知事本人をはじめ周辺からは伝わってこない。
★注:沖縄県議会は定数48。
沖縄・平和(社民・社大〕 8
共産 7
てぃーだ(翁長雄治、立憲など)7=与党計22
――――――――――――――――――――――
会派おきなわ 3=中間派 3
――――――――――――――――――――――
自民 19
公明 2
無所属 2=野党計23。
Q:これから大きな選挙として、まずは年内もしくは遅
くとも21年10月までの衆院選、22年7月参院選での伊波
洋一再選、22年9月のデニー再選があり、この間に22年
5月15日の施政権返還50年という大きな節目を迎える。
私の勝手なイメージを言うと、(1) 衆院選で1~3区を
再確保し4区を奪って全勝することが大前提、(2) 50周
年の日に向け、県民がこの50年をどう振り返り次の50年
にどう踏み出していくかの一大思想運動が必要で、1年
前からそれを盛り上げていく中で、(3) 22年参院選と知
事選を勝ち抜くーーという、選挙対策 ×政策構想 ×大
衆運動 ×多彩な学術・文化イベントとを立体的に組み
上げていくことが必要ではないか?
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