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ビジ選☆リーダーズ Vol.871『組織と働き方を「変える・変えない・先延ばす」さてどうする?』(上村紀夫)

ビジネス選書&サマリーリーダーズ
■3大モヤモヤの解決策 この5年で働く目的、すなわち「労働価値」は大きく変化した。特 にコロナの流行は、社会に急速で大きな影響力を与えた。従来の組 織では社員が働く目的と会社が提供する価値にギャップが生まれる。 従来は、他社の動きを見ながら「他社も実施し始めたから、ウチも そろそろ」と継ぎばぎしながら組織運営を形成できた。だが、時代 は大きく変化している。 急速かつ影響力の大きな「変化」によって、組織のあり方が揺らぐ 今、経営者、人事担当者は、この課題・テーマにどう取り組んでい くべきかを自ら考えねばならないのだ。 ★ 経営者・人事担当者が抱える「社員の健康や柔軟な働き方への対応」 と「事業保全」についての悩み、つまりモヤモヤは、大きく3つに 整理できる。 1つ目は、社会情勢の急速な変化によって、会社の方針を固める前 に、なし崩し的に組織運営が変更・固定化されてしまうことへのモ ヤモヤだ。 解決策は、たとえば社会情勢の影響により生じた施策転換を「会社 が発展するチャンス」と捉え、前向きに組織運営を変えることだ。 あるいは、あえて通常の組織運営体制を貫くという判断もある。 いずれにしても、変化の多い時代において、社会情勢などによって、 強制的に導入せざるを得なかった施策の有効性を短期的に見極める ことは難しい。 「このまま施策を継続するのか」という施策の固定化に関する疑問 には、慎重な対応が必要だ。緊急的かつ臨時的対応が落ち着いたら、 しっかり社会情勢を見極め、経営方針を十分に練る。 そして、その施策が組織や価値提供にもたらす影響を精査する。そ うしたプロセスを経た上で、今後の組織運営を改めて考え直すとい うことが求められる。 ★ 2つ目は、社員が「〇〇でも十分仕事ができる」と考えていること に対し、会社は「できているとは言えない」ということがある。そ の感覚の違いに対するモヤモヤだ。 社員が感じている「できる」という感情は、技術と精神の2面から 成り立つ。一方、会社が「できる」と感じるのは、それらに加え、 発展側面と組織側面が加わる。さらに社員とは時間軸も異なる。 そもそも、社員と、管理職を含めた会社とでは、視点が違うのだ。 その点を踏まえた上で、会社が「なぜその選択をしたか」について、 社員・会社それぞれの視点から上手に発信することだ。 何よりも、双方の視点の違いを知り、関心を持つことが大事だ。こ れが不要なトラブルを避け、組織運営を上手く動かす基本だ。経営 者、人事、管理職の心の健康を保つことにもなる。 ★ 3つ目は「会社として、どこまで社員の健康や働きやすさに配慮す べきか」というモヤモヤだ。社員は大切だが、働き方の施策が会社 の価値提供と存続を蔑ろにするのでは本末転倒だ。 「働き方」への取り組みは、「社員の想い」を満たすためにあるの ではない。組織を活性化し、会社の価値提供を実現する手段だ。そ れが「働き方」への取り組みの目的だ。 それでも、災害など社会情勢が大きく変化する際に組織活性するの は難しい。メンタルが落ち込みやすく、働きやすさへの重要度が高 まるからだ。健康・雇用に対する不安と生活環境の変化が原因だ。 今後しばらくは、働きやすさ重視の施策が重要視される可能性が高 い。逆にモチベーションやエンゲージメントといった働きがいを高 める話は後回しになるはずだ。 ただし「働き方」と「価値提供」は相反するものではない。いずれ にしろ、組織活性のバランスを保つために優先される施策を見極め ていくことが、何よりも重要なのだ。

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