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第131回 医療で発展するブロックチェーン その1
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▼今回の記事
今回は医療分野におけるブロックチェーン導入の概要を紹介する。医療分野に関しては、2年以上前の2018年5月に一度紹介したことがある。
しかし今回、改めて紹介することにした。それというのも、新型コロナウイルスのパンデミック以降、医療分野のブロックチェーンが急速に進んでおり、新しい動きが出てきたからだ。それを改めて紹介する必要があると考え、書くことにした。一部、2年半前の記事と重なる部分もあるが、ご了承願いたい。
▼健康と医療の分野におけるブロックチェーン
医療の分野におけるブロックチェーン導入の期待感は高い。医療分野では、患者のカルテ、処方箋、臨床試験、診療報酬、医学研究など、あらゆるデータは個別の機関や組織によって繁雑に管理されているので、データをブロックチェーンの分散台帳に一括して管理することで、はるかに効率的なシステムが構築可能となる。ブロックチェーンは、次のような革新的な変化を医療分野に引き起こすと見られている。
1)医療データの管理
個人の病歴や医療機関受診記録の電子化は徐々に進んでいるが、これをブロックチェーンで一括管理すると、個人の健康に関するすべてのデータが安全に記録できる。すると、この記録を必要とするあらゆる医療機関がこれを参照できるため、個人の病歴や治療記録が確実に共有される。
また、患者の許可さえあれば、医療の個人データは研究者にも参照が許されるため、新しい治療法や医薬品の研究に有用なデータを即座に提供することが可能となる。
そして、ブロックチェーンに保管された治療履歴や処方薬のデータにアクセスできるキーを個別の患者に与えることによって、患者自らが自分の医療データの管理ができるようになる。このようなシステムであれば、患者が国内の他の地域の医療機関を受診しても、またそれが海外の医療機関であっても、患者のブロックチェーンに保管されている記録を見ることができるので、医療機関の間の繁雑なカルテのやり取りは一切必要がなくなる。
2)医薬品の管理とサプライチェーン
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