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津田大介の「メディアの現場」
2020.9.18(vol.409/part1)
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──Don't lose your temper──
みなさん、こんにちは。津田大介です。
城崎温泉にある城崎国際アートセンターで上映された市原佐都子さんが主宰するQの
「バッコスの信女」を見てきました。実はこれ、あいちトリエンナーレ2019で上演
された演劇で、僕は最終日に見ることができました。感想としては「衝撃!」の一
言で、「情の時代」というテーマともぴったり。ガツンと頭を打たれたような気分
になり、最後まであいちトリエンナーレ辞めずにがんばってよかったなあと感じた
ことを覚えてます。
あいトリ開催中に見たときは、状況が状況でしたから、記憶もあいまいな部分があ
るんですが、2回目は冷静に振り返ることができましたし、緻密に計算された台本と
演出を堪能できました。
ジェンダーの問題や、女性の行きづらさの問題をギリシャ悲劇の構造を借用しなが
ら、あっと驚く展開で見せる。僕の周りの女性はみんな号泣しながら見てましたね。
そして何よりうれしかったのは、この戯曲が演劇界最高の権威である「岸田国士戯
曲賞」を受賞したことです。先日コロナで延期されていた授賞式が無事開催された
んですが、そこで大きな「事件」が起きました。市原佐都子さんが受賞のスピーチ
で、演劇界のジェンダー不均衡について言及。岸田国士戯曲賞のあり方に対して真
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