■ブレない経営。
「コロナ禍でリモートワークが進み、デジタル化が社会を変える」
と識者はいう。マスコミは、連日「新しい時代」と騒ぐ。だが、そ
んなものに流されていては、まともな経営などできない。
事業家が、絶対に見失ってはいけないものがある。それをトコトン
大事にするべきだ。それが「ブレない経営」だ。「ブレない経営」
ができれば、恐れるものなど何もない。
事業家は、なんでも自分の好きなようにできる存在だ。そんな事業
家の夢や理想に資金を提供するのが資本家的な投資家だ。両者が、
二人三脚で、古今東西いつの時代も新しい社会を築いてきたのだ。
「新しい社会、より良い社会を築くのだ」という矜持こそが「ブレ
ない経営」の根本だ。誰になんと言われようと微動だにしない、青
臭い理想掲げることが大事なのだ。
★
仲間や家族同然の従業員をかかえ、取引先を大事にし、お客さんに
本気で喜んでもらいたいと思っているなら、社長がブレていては、
始まらない。
しかし、社長ほど悩み、惑い、苦しんでいる人はいない。人知れず
ブレブレの社長も少なくない。経営軸をブレさせるのは「組織中心
になっていないか」「儲け中心になっていないか」といった視線だ。
だから「自分はどこを目指すのか」「誰を幸せにしたいのか」「そ
の理想を誰と、どう築くのか」といった、未来志向の一貫した視線
を持つことだ。それを「ブレない経営」の基軸にすべきなのだ。
★
古今東西、いつの時代も新しい世の中を築いていくのは事業家と投
資家だ。新しい世の到来を語る人は、古くは預言者から思想家まで
いる。だが、実際に作るのは事業家と投資家なのだ。
事業家は思い描く将来に向けて、これでもかと行動を起こす。そう
いった事業家たちの夢に資金を投入し、サポートするのが資本家マ
インドを持つ投資家たちだ。
彼らが行動を起こした後に、人々の新しい生活スタイル、すなわち、
新しい世の中ができ上っていくのだ。つまり、彼らの行動が世の多
くの人々を先導して将来を作っていくのだ。
それは、正に事業家と投資家のみに与えられた特権といえる。経営
に携るなら、後世に良かれと願って汗を流した足跡は残したいもの
だ。それ位の意思と覚悟がなければ、ブレない経営など不可能だ。
★
将来に向けては何でもできる。経営者に必要なのは「こんなことを
してやろう」という思いと情熱だ。その挑戦心で事業を起こし、資
金を投入するのだ。
その時、大事なのが、読みやイメージ力、将来構想力だ。これは主
観の世界だ。その中で自由自在に遊べばいいのだ。発想を飛ばし、
どんどん行動するのだ。これが事業であり投資の本質だ。
ところが、勉強不足で将来構想力に欠ける経営者は意外と多い。彼
らは安易にコンサルタントに頼り、既知の世界の分析や、まもなく
現実化する予測に大金を払う。典型的なダメ経営者だ。
★
経営者は、将来の社会に対する責任も重いことを意識すべきだ。将
来の社会を作る行動主体としての倫理感や社会正義意識、道徳心や
品格・美意識などが問われるのだ。
経済とは「経世済民」のことだ。人々の暮らしを成り立たせること
だ。人は、ただ食えればいいわけではない。心豊かに、やさしく生
きていきたいと願っている。それを叶えるのが事業家の心意気だ。
「どれだけステキな社会を、子どもたちの次の世代に残していくか」
それこそが事業家や資本家的な投資家に授けられた使命であり、天
からのミッションだ。
自分の思い通りにできる分、いつも目線の高さが問われる。将来の
社会を作る以上、その結果責任をいつも意識すべきだ。これこそが
「ブレない経営」の最優先事項なのだ。
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