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高野孟のTHE JOURNAL Vol.468 2020.10.19
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1069》
木を見て森を見ない菅義偉政権の先行きの危うさ
ーー学術会議人事介入の裏にあるもの
【2】《CONFAB No.468》閑中忙話(10月11日~17日)
【3】《FLASH No.378》
発足1カ月で早くもさらけ出された菅政権「3つの
弱点」ーー日刊ゲンダイ10月15日付「永田町の裏
を読む」から転載
【4】《SHASIN No.412》付属写真館
■■ INSIDER No.1069 2020/10/19 ■■■■■■■■
木を見て森を見ない菅義偉政権の先行きの危うさ
ーー学術会議人事介入の裏にあるもの
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菅義偉政権が発足して1カ月で、最大の話題が日本学
術会議の新委員105人のうち6人の任命を拒否し、同会
議のみならず野党、マスコミ、世論の大反発を招いたこ
とだったという事実に、この政権の本質と、従って先行
きの危うさが表れている。
ただし、この問題を積極的に取り上げているのは、新
聞では東京、毎日、朝日。テレビではTBSと朝日の一部
報道番組くらいで、これが菅政権滑り出し期の最大の話
題となったという認識は必ずしも普遍的でないのかもし
れない。
安倍政権の時代にすでにそうであったけれども、菅政
権になってますます、主要メディアの二極化は甚だしい
ものがあり、この日本学術会議の問題にしても、東京と
毎日が先導し朝日が従うのに対して、日経と読売は端的
に言えば「ベタ記事」扱いで、そんな重大なことが政府
と学術界との間で起きているということ自体を、余り国
民には認識させないでおこうという、まさに忖度的な編
集方針を採っているように見える。フジ=産経グループ
に至っては、学術会議についてのデマ情報を流して同会
議を貶めようとさえしている有様である。
しかし26日からようやく始まる臨時国会では、野党が
手ぐすね引いて待ち構え、真っ先にこの問題を追及する
に決まっているので、菅がたちまち答弁に詰まり窮地に
陥る場面も出てくるだろう。
●「総合的、俯瞰的」視点に欠ける菅義偉政権
菅義偉首相や加藤勝信官房長官は6人の任命を拒否し
た理由として「総合的、俯瞰的」な判断を強調したが、
天に唾するとはこのことで、何事によらず「部分的、近
視眼的」な判断しかできないのがむしろこの内閣の特徴
である。
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