◆石破さん、野党も巻き込んだダイナミックな政界再編戦略を立てたらいかがですか
自民党の石破茂氏が派閥の会長を辞任したとのニュースが流れた後、私は衆議院第二議員会館5階のトイレで、石破氏と並んでいた。
石破氏の議員会館の部屋は香織代議士と廊下を挟んで反対側にあるのでたまにトイレで遭遇する。トイレで隣り合わせになった石破氏の横顔はいつもより覇気がないように感じた……。
4度の総裁選挙を戦った石破氏は、あと一歩で総理に手が届くところまで行った。 とくに2012年の総裁選は敗れたものの、党員投票では安倍晋三氏を上回った。 今年の総裁選では、それまでの世論調査では圧倒的な人気を誇っていたのに、総裁選挙直前になって菅義偉氏が主要5派閥の支持を得て立候補すると報道されるや、菅氏に世論調査で抜かされ、本番でも最下位という屈辱に甘んじた。
よって立つ基盤である派閥を解体するとなると、石破氏は神輿の担ぎ手を失うこととなる。 総裁選挙のルールである20人の推薦議員を失うのだから、自分の意志で立候補したくともかなわないということになる。
石破氏と同じく総裁選挙に敗れた岸田文雄氏は、かつての派閥オーナーである古賀氏を切ってまで麻生派の支援を得ようとしている。 もちろん岸田氏も無傷では済まない。 古賀氏からお金をもらって支援を受けている議員は派閥を離脱する可能性がある。 それでも古賀氏との離別を決断したのは、このままの体制では勝てないからと判断したからだ。 政治にはつらい決断をしなければいけない時がある。
現在の自民党一強体制は、なかなか揺らぐ兆候がない。 野党時代の辛酸をなめた自民党議員は、どんな手を使っても下野しないための作戦を練るだろう。 また現在、国民の支持を得られていない野党が政権を奪う可能性も低い。
ここで石破氏が新たな政治の軸を作れるかどうかである。
安倍氏に対抗することで石破氏の支持は上がった。 ポストを得られない怖さで安倍官邸を批判ができない議員が多かった中で、毅然として「悪いものは悪い」と言っていた石破氏が光って見えたのである。
このスタイルを捨てないことが大事だろう。
そして最終的には……
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