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【Vol.350】冷泉彰彦のプリンストン通信

冷泉彰彦のプリンストン通信
「大統領選、即日当確の出るシナリオとは?」 <シナリオ1、トランプの即日当確>  反対に、トランプがペンシルベニアの開票結果を待たずして、投開票の晩 に当確を決めるケースはどうでしょう?  まずトランプの基礎票「レッド」125と激戦州で優位とされる「ピン ク」122の合計は247です。ということは、当選ラインまで残り23と なります。ペンシルベニアでの20を待たずに当確に至るには、バイデン優 位とされる「ライトブルー」を切り崩す必要があります。  例えば、ウィスコンシンの10に、ミシガン(確定が遅れる可能性のある 州ですが)の18を足せばもう28でトランプ当確です。ウィスコンシン+ アリゾナ+ネヴァダ(ここも遅れるかもしれません)を取って27とすれば、 それでもマジックはゼロになります。  では、トランプ即日当確の可能性は相当にあるのかというと、そう簡単で はありません。というのは、トランプは優勢とされる激戦州(ピンク)をす べて取らないといけないからです。テキサス(38)、フロリダ(29)は もちろん、オハイオ(18)、ジョージア(16)、ノースカロライナ(1 5)、アイオワ(6)のいずれも、かなり接戦と言われており、ここを全部 抑えた上で、「ライトブルー」州を切り崩すというのは、確率的に必ずしも 高くないという考え方もできます。 <シナリオ2、バイデンの当日早期当確>  一番早いシナリオは、東部の「トランプ優位州(ピンク)」をバイデンが 切り崩すケースです。フロリダ(29)+ジョージア(16)+ノースカロ ライナ(15)を足せば60という巨大な塊になります。この3州はいずれ も大勢判明が比較的早そうだと言われていますが、この60を一気にバイデ ンが持っていくと、基礎票「ブルー」の216と合わせて瞬時に当確になり ます。  この中では、何と言ってもフロリダ州に注目です。選挙人数が29と大き いこともありますが、2000年の選挙に際しては「ブッシュ対ゴア」の戦 いが「再集計」となり、最後は12月中旬に連邦最高裁に持ち込まれたこと があるからです。  但し、今回は「郵送投票も期日前投票も、どんどん前倒しでカウントす る」としており、迅速で確実な処理をすると当局者は胸を張っています。ト ランプ自身も、フロリダは信用できるとして、他でもない自分とメラニア夫 人はここで期日前投票をやっているわけです。  ですから、3日の東部時間午後10時前後(日本時間の4日の昼前後)に、 出るであろうフロリダの結果は注目です。多分、ここが相当早いと思うので すが、バイデンが取れば、形勢は大きくバイデン有利に傾きます。  一方で、そのフロリダとジョージアは、恐らくトランプとしては異議申し 立てが難しいと思われ、民主党知事のノースカロライナで訴訟戦術というこ とになるかもしれません。仮にそうなっても、フロリダとジョージアで45、 ブルーと合わせて261ですから、ミネソタの10が乗っかればバイデンは 当確です。  もっと言えば、フロリダを取った場合には「ブルー」の216と合わせて 245となり、マジックナンバーは25です。その場合は「ライトブルー」 の53と、「ピンク(フロリダ以外)」の93を足した146の中で25を 取ればもうバイデンは当確になります。  反対にフロリダを落としつつ、トランプが勝利するには「レッド」の12 5、「ピンク(フロリダ以外)」の93を足した218をベースとして、更 に52を上乗せしなくてはなりません。ペンシルベニア(20)を取るのは 勿論、更に32が必要となります。

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  • アメリカ北東部のプリンストンからの「定点観測」です。テーマは2つ、 「アメリカでの文脈」をお伝えする。 「日本を少し離れて」見つめる。 この2つを内に秘めながら、政治経済からエンタメ、スポーツ、コミュニケーション論まで多角的な情報をお届けします。 定点観測を名乗る以上、できるだけブレのないディスカッションを続けていきたいと考えます。そのためにも、私に質問のある方はメルマガに記載のアドレスにご返信ください。メルマガ内公開でお答えしてゆきます。但し、必ずしも全ての質問に答えられるわけではありませんのでご了承ください。
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