☆セクシー心理学ＧＯＬＤ　第659曲～王様の耳は、ロバの耳。前編☆

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　セクシー心理学ＧＯＬＤ　　　２０２０－１１－０４ 　第659曲 　　　　　　　　　　　王様の耳は、ロバの耳。前編 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。ゆうきゆうです！ 今夜はこんな話をお読みください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ さてあなたは「誘惑に強い」方ですか？ 世の中には、たくさんの誘惑があります。 集中しなければいけないのに、突然にネットが気になる。 お菓子を食べたくなってきた。 ノドが渇いたし、コーヒーが飲みたい。 そんな一つ一つの欲望は、まさに集中をジャマする存在。 さてあなたは、そんな誘惑に強い方ですか？ それとも弱い方ですか？ もし弱いのなら、誘惑に打ち勝つ、決定的な方法について話しましょう。 ◆　「王様の耳は、ロバの耳」の本当の話 あなたは 「王様の耳はロバの耳」 という童話をご存じでしょうか？ もちろんほぼすべての方が「知ってる」と答えるハズです。 しかしこれ、一見簡単な話に思えつつ、実は結構壮大な話だったりするのです。 昔々、ある国に、耳がロバの耳だった王様がいました。 まぁ、そもそもこの時点で「何で！？」ってツッコミは上がりますよね。 もう冒頭から唐突すぎるだろ、と。 実はですね、この話には「前」があるのです。 これ、もとはギリシア神話で、王様の名前は「ミダス王（マイダス王）」と言 いました。 この名前は、聞いたことがある方も、多いかもしれません。 あるところに、ミダスという王様がいました。 ここで酒の神ディオニソスは、自分の義父であるシーレーノスが行方不明になっ ていることに気付きました。 シーレーノスは、酒の飲み過ぎで酔っぱらって、迷子になっていたのです。 うん。酒の神の義父だけに。どうしようもない。 ここでミダスはそのシーレーノスを保護していたため、ディオニソスはお礼と して 「どんな願いでも叶えよう」 と言いました。 ミダスは 「だったら、手で触ったものすべてを黄金にしてください！」 と言いました。 欲望一直線です。 ぜんぜん関係ないんですが、キン肉マンというマンガの中に、手が完全に「板 とトゲ」でできている、「ジャンクマン」という超人が出てきて、子供心に 「これ一見強そうだけど、日常生活どうするんだろう」と思ったものです。 思い切り話がズレましたが、実際、ミダス王も似たような状況です。 何でも黄金に変わるので、最初はとても嬉しく感じました。 しかし食べ物も飲み物も、すべて黄金に変わってしまい、日常生活が困難にな りました。 困難というか、もう、死の危機です。 いや、お願いする前に気付くべきでは、と。 子供か、と。 そして最終的に、自分の娘にも触れてしまい、黄金に変えてしまいました。切 なすぎです。 奇しくも娘が「マリーゴールド」と言う名前だったのがまた皮肉です。 ゴールド化を暗示していたのかと。 何にせよ激しく後悔したミダス王。 「もう強欲なことは言いません！」 と反省したところ、ディオニソスに「では川で行水するがいい」と言われます。 その通りにすると、黄金の力は川にうつり、めでたしめでたし。 それ以降、その川は砂金が取れる川になりました。 とはいえ、そもそも砂金が取れる川に、あとから神話的な由来をつけたくて作 られた話のようでもあります。 何にせよ、ディオニソスによって元に戻してもらったミダス王。 いやでも、「何でも言え」と言ったディオニソス様にも責任はある気がするん ですが。 「風通しのいい家を作ってほしい！」と言われた大工さんが、言われたままに 壁なしで工事しちゃったみたいな。 大工さん、プロなんだから、そこは施行主を止めてくれないと！ うん。まぁそんな感じです。 ◆　そして王はロバの耳へ。 ここで大変恐縮なのですが、この特徴的な黄金のエピソードは、ロバの耳とは 直接関係ありません。 その後、ミダス王は「もう富なんてコリゴリだよ」と思い、田舎の田園地帯で 隠居のような生活をしていました。 そこで田園の神であるパーンと親しくなりました。 パーンは楽器が上手で、竪琴の神であるアポロンと音楽勝負をすることになり ました。 ここで多くの神々が「アポロンの方がうまい！」と評価しましたが、ミダス王 だけが 「いや、パーンの方がうまい」 と言いました。 すると怒ったアポロンは、ミダス王の耳を、ロバの耳にしてしまいました。 いや、完全に八つ当たりやないか、と。 とはいえ、ギリシア神話の神が好き勝手すぎるのは、今に限ったことではあり ません。 とにかくミダス王は、ロバの耳を抱えて生きていかなくてはなりませんでした。