■よい関係を築く話し方
コミュニケーションとは「ココロ」を「カタチ」にする力だ。表現
力とも言える。だから、生まれつきの得手不得手でなく、誰もが、
いつからでも磨くことができるスキルなのだ。
対面でのコミュニケーションでは五感を使って表現できる。だが、
オンラインでは視覚と聴覚に限られた表現になる。だから、対面な
ら伝わることも伝わりにくくなってしまう。
日本人が得意な「察すること」や「空気を読むこと」はオンライン
では困難だ。「多くを語らずとも、相手に察して欲しい」という気
持ちはいったん捨てる必要がある。
察する力は敏感なのに、表現する力が乏しければ、コミュニケーシ
ョンのストレスや人間関係のトラブルは増える。だから、日本人が
苦手な「表現する」コミュニケーション力を磨くべきだ。
★
オンラインでも感じのいい人がいる。もちろん、すでにリアルで信
頼関係が構築できているなら、オンラインコミュニケーションでも
さほど支障はない。
だが、初対面の相手との打ち合わせや金銭のやりとりが発生する場
面では、勝手が違ってくる。そういう時は、対面でのコミュニケー
ション以上にコミュニケーション力や印象力が必要になる。
パソコンのスクリーン越しだから、互いに冷静に相手の全体像を見
ているからだ。そのため、対面よりも早いタイミングで相手の印象
が決まってしまう。さらには、相手を評価してしまうことさえある。
オンラインでも「この人とは、直接お会いしたい」と思える人がい
る。そういう人は、日頃から人に感じよく接しようとしている人だ。
だからオンラインではより気をつけなければと学ぶ姿勢があるのだ。
一方で、元々そういう感度が鈍い人がいる。そういう人は、オンラ
インでは悪印象になりがちだ。リアルな場と比べて、オンラインで
はその差がさらに広がってしまうのだ。
★
オンラインで見えてきた課題がある。たとえば「ファシリテーター」
すなわち「進行役」の必要性だ。出席者が同じ場所にいないオンラ
インの場は一体感を出しにくい。
4人を超えると、ファシリテーター不在では積極的な意見交換にな
りにくい。自分だけでなく、他のメンバーから意見を満遍なく引き
出し、話の流れを整理するなど「場を回す力」が求められる。
ファシリテーションには、大きく2つのステップがある。まず、一
体感のある場作りだ。これにより、参加者全員が公平に意見を言い
やすくなる。
ここでのポイントは「冒頭で一体感を作る」「その集まりのゴール
を明確にする」「メンバー一人一人に目を配り、意見を引き出す」
などが挙げられる。
各人の意見が発散されたら、次のステップだ。引き出した意見を掘
り下げ、話を整理し、まとめる。その上で、ゴールに向かって整理
し、収束させていくことだ。
★
今後、オンラインコミュニケーションが増えても生き残っていく人
は「自己開示力」の高い人だ。「自己開示」とは文字通り、自分を
開示することだ。
目的は、決して自分を承認してもらうことではない。相手の警戒心
を無くし、安心感や親近感を持ってもらうことが目的だ。その上で
ありのままの姿をさらけ出し、心からの本音を表現する。
時には、自分の失敗談やかっこ悪い自分を見せる場合もある。自己
開示ができれば、「好かれる」と同時に「信頼される」ことができ
る。両方の印象が得られるのだ。
好かれることで「この人と仲良くなりたい・この人をよく知りたい」
と思われることができる。また、信頼されることで「この人から買い
たい・良く関係性を築きたい」と思ってもらえるようになる。
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