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知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード
vol. 048
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みなさん、こんにちは!ITジャーナリストの牧野武文です。
今回は、山寨機についてご紹介します。
山寨機(さんさいき)というのは、違法に製造された携帯電話のことで、2000年代に、深センを中心に大量に販売されたノーブランド携帯電話のことです。中には、勝手にドラえもんなどのキャラクターを使ったり、タバコの箱と見せて実はケータイなどのおもしろケータイもたくさんありました。
一方で、フィーチャーフォンの時代に、ダブルSIM、FMチューナー搭載、タッチペン対応など、尖った先進的な機能を搭載しているものもありました。携帯電話の発展史にとって、カンブリア爆発のように多種多様な携帯電話が、山寨機として登場してきたのです。
山寨機は、技術や版権といった知的財産権に頓着せず、製造免許も得ない違法製造であったため、産業史としては無視される傾向がありますが、中国の携帯電話産業はこの山寨機から始まったと言っても過言ではありません。
しかも、中国政府もこの違法な産業をうまく制御して、産業が成長するように促しています。
儲かる市場があり、そこに大量の人が集まり、それを政府が制御していくというやり方は、山寨機だけでなく、現在のテック産業を始めとするあらゆる新興産業での基本パターンになっています。
私たち日本人は、中国の新興産業の黎明期の段階を見て、「めちゃくちゃ」「アンダーグランド」と見做して軽視してしまう傾向があります。しかし、水面下で力をつけて、政府が改革を行い、陽の当たる場所に出して、規制をかけ、業界を整えるということをした瞬間に、突然、巨大産業が出現したように感じてしまい、驚くことになるのです。
スマホ決済、人工知能、新小売などもこのパターンで成長をしています。
そこで、今回は、中国の新興産業がどのように発展をしていくのか、その基本パターンを知っていただくために、山寨機の発展史をご紹介します。
知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード vol. 048
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▼目次▼
中国電子産業の原点「山寨機」とは何だったのか?
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