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第139回 観光業と旅行業で発展するブロックチェーン その1
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▼今回の記事
今回も、やはり1年半前の2018年6月に紹介した観光業と旅行業におけるブロックチェーン導入の現状を紹介する。やはり1年半も経つと、ブロックチェーンの導入はどんどん進み、新しいプロジェクトもたくさん出現している。したがって、この分野の発展を再度紹介する価値があると思った。今回はその概要である。1年半前の記事の内容と重複する部分もあるが、この分野の発展を紹介するには重要だ。今回はその概要である。
▼観光業と旅行業とブロックチェーン
いま観光業と旅行業は大変に厳しい状況にある。新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウンや移動制限によって観光業と旅行業という分野そのものが成り立ちにくくなっているのだ。いずれパンデミックは収まるだろうが、この状況で生き残るためには、最大限のコスト削減を徹底しなければならない。
このためのひとつのカギとして導入が進んでいるのが、ブロックチェーンである。ブロックチェーンの導入ができるかどうかに、観光業と旅行業の生存がかかっているといってもよいかもしれない。新型コロナウイルスのパンデミックの後では、おそらくどの産業分野よりもブロックチェーンの適用に積極的なのが、観光業と旅行業であろう。
そしてその導入は、この産業を根本的に変化させてしまう可能性が高い。2018年6月に最初に紹介したときは、次の4つの分野が変化の中心になっていた。再度これを見て見よう。
1)旅行代理店など中間業者や組織が不用となる
ブロックチェーンが観光業と旅行業にもたらす変化は革命的になものになる可能性が高い。それというのも、ブロックチェーンの導入で旅行代理店などの中間業者が不用になるからである。
現在、ほとんど地域では、観光にしろ商用にしろ旅行を仲介しているのは旅行代理店である。産業としてもかなりの規模になっている。しかしいま、「エア・ビーアンドビー」のようなオンラインサービスによって、ホテルや民泊のような滞在場所を予約できるサービスが、旅行代理店の業務の一部を奪いつつある。
だが、ブロックチェーンが観光業と旅行業に本格的に導入されると、滞在場所の予約のみならず、航空券の予約、ツアーの参加など、旅行代理店が現在提供しているほとんどすべての業務を、ブロックチェーンによるサービスが置き変えてしまう。
あらゆる航空会社、世界各地のホテルや民泊などの滞在施設、レストランや娯楽施設、ツアーや地域のイベントへの参加など、旅行や観光にかかわるあらゆるサービスをブロックチェーンに登録すると、旅行者はブロックチェーンのサービスにアクセスできるスマホのアプリなどを使い、すべて自分で手配することができてしまう。
さらに、AIを実装したブロックチェーンであれば、登録した旅行者個人の好みや傾向を分析し、ツアーやレストランなどを薦めるサービスも可能だとなる。
ブロックチェーンは、基本的に人を介さない自動化したシステムを実現する。旅行代理店のように多くの人員は介在しない。そのため、ブロックチェーンによるサービスの提供は、旅行代理店よりもはるかにコストが安くなることは間違いない。結果として、多くの旅行代理店はブロックチェーンのサービスによって淘汰されてしまう可能性が高い。
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