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第165号.死亡者の遺族年金はその時の家族が貰うはずだったのに、顔も知らない人が貰う事になった理由。

事例と仕組みから学ぶ公的年金講座
こんばんは。 年金アドバイザーのhirokiです。 遺族年金を貰う時は夫、妻、子が出てきて、実際に住んでる家族が亡くなったら残された家族が貰うものであるという認識です。 自分の家族…主に夫が死亡したら、妻や子に支給されてという流れになる。 もちろん特に何もなければそのパターンになります。 ところが、例えば夫が死亡した時に、一緒に暮らしてた妻や子が貰うと思ってたのに、全然知らない人が遺族年金を貰うという状況になったりする事もあります。 その前に一旦ここで復習したいのですが、遺族年金を貰う条件として本人が死亡した時に生計維持されていた一定の遺族に支給されます。 遺族年金は「生計維持されていた」というのがとても重要です。 なんだか生計を維持されていたというと、死亡者に養われていたようなイメージですが、年金では必ずしもそうではありません。 生計維持には2つの要件が含まれています。 まず1つ目が居住要件(生計同一ともいう)。 居住要件というのは、簡単に言えば本人が死亡した時に一緒に住んでたとか、違うと子に住んでいたけどちゃんとした理由があって別居してましたという状況をいいます。 次に2つ目は本人が死亡した時の遺族年金を貰う遺族の前年の収入が850万円未満(または前年所得が655.5万円未満)である事(収入要件という)。 前年収入は一時的な収入は除きます。 ちなみに850万円という収入はどっから持ってきたのかというと、日本人の上位10%以内の収入を基準にしています。 この2つを満たした状態が生計維持といいます。 生計同一+収入要件=生計維持という事ですね。 次にその生計維持されていた遺族の誰が貰う権利があるのか? 全ての遺族が貰えるわけではないですよね^^ まず国民年金から支給される給付である遺族基礎年金は誰が貰えるでしょうか。 この場合は「子のある配偶者」または「子」の2つのパターンのみですが、子のある配偶者が支給優先します。 なお、「子」というのは18歳年度末未満の子を言います(2級以上の障害がある子は20歳まで延長される)。 見てもらうとわかると思いますが、遺族基礎年金は子が存在する事が絶対条件の年金なので、子が居なければ貰う事はできません。 子供が居ないと貰えない年金なので、子供が居ない人は掛け捨て防止として国民年金独自に設けられている一時金(死亡一時金制度)がある。 子すべてが18歳年度末になると遺族基礎年金は消滅するので、有期の年金。 まあ、子が高校卒業するまでは面倒見ましょうねというものですね。 それが国民年金からの遺族給付。 ーーーーー 次に厚生年金から支給される遺族厚生年金。 こちらは遺族の範囲は広い。 本人が死亡した時に生計維持されていた、配偶者、子、父母、孫、祖父母の順で一番上の人が受給する権利を持つ。 この順って事は、配偶者が1番、子が2番、父母が3番、孫が4番、祖父母が5番…と見れますが、「配偶者と子はどちらも1番」である事に注意。 え?じゃあ、配偶者も子も貰えるって事?という感じですが、もちろん両者に同時に支給するわけではありません。

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