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言いすぎか!! 弁護士 北村晴男 本音を語る Vol.106

言いすぎか!! 弁護士 北村晴男 本音を語る
━=━=━=━=━=━=━=━= 言いすぎか!! 弁護士北村晴男 本音を語る ━=━=━=━=━=━=━=━= Vol.106 2020.11.30 ■□■…………………………………… 目次 ……………………………………■□■  【1】 『国際法を学ぶことで         日本のすばらしさを再認識した』  【2】 『北村晴男の"素"』  【3】 『番組出演予定       イベント情報』 ……………………………………………  【1】 『国際法を学ぶことで         日本のすばらしさを再認識した』 …………………………………………… 11月18日、元朝日新聞記者の植村隆氏(62)が、自身による従軍慰安婦についての記事を「捏造(ねつぞう)」とされ、名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの櫻井よしこ氏(75)と出版社3社に対して損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷は植村氏の上告を退け、1、2審判決が確定した。 櫻井さんは韓国の元慰安婦の証言を取り上げた1991年(平成3年)の朝日新聞の記事について2014年(平成26年)、「捏造」「意図的な虚偽報道」などとする論文を執筆し、月刊誌「WiLL」「週刊新潮」「週刊ダイヤモンド」に掲載。 これに対し、植村氏は「事実に基づかない中傷で激しいバッシングを受け、家族も含め危険にさらされた」と2015年(平成27年)に提訴。 だが、1審札幌地裁は2018年(平成30年)の判決で「櫻井氏が、記事の公正さに疑問を持ち、植村氏があえて事実と異なる記事を執筆したと信じたのには相当な理由がある」として請求を棄却。今年2月の2審札幌高裁判決も支持した。 朝日新聞は「韓国の女性を慰安婦にするため強制連行した」との報道が虚偽だったことをすでに認めている。 その朝日新聞、2020年度決算が創業以来の約170億円という大赤字に陥る見通しになったと報じられた。経営責任を取り、渡辺雅隆社長(61)は来春に退任する意向を示唆した。 これについて私は、先日、「慰安婦記事誤報、(福島第一原発)吉田調書記事捏造による当然の結果です。国民に対する慰謝料は未払いのまま」とツイートした。  :  : 悲惨な戦争を繰り返したヨーロッパ人が、 知恵を絞って生み出した国際法 さて、わたしは法律家でありながら、国際法についてはまったくの素人。最近、勉強してみようと国際法の本を読み漁(あさ)っているのだが、たいへんおもしろい。そこで、国際法の「いろは」の「い」を解説してみたい。 国際法を学ぶときに最初に勉強するのが1648年のウェストファリア条約。ヨーロッパ全土に広がった30年戦争を終わらせるための講和条約だ。 この30年戦争(1618~1648)は、カトリックとプロテスタントの血で血を洗う宗教戦争で、イギリスやフランス、スペインなどを含めたヨーロッパの20カ国が次々と参戦。破壊、略奪、虐殺が繰り返された。今でいうドイツにあたる地方では人口の約1/4が消滅したと言われる、恐ろしい戦争だった。 関ヶ原の戦いが1600年だから、30年戦争は、日本の戦国時代よりもちょっと後の時期。日本も戦国時代は殺し合いをした。だが、憎悪による殺し合いではなく、信長のように天下を統一するための戦い、あるいは生き残るための戦いだった。つまり、誰かが勝ち、日本を統一できれば、それで争いは止むという性質の戦いだ。ある意味、幸いだった。宗教戦争ではないので、永遠に続くような恐ろしい殺し合いではなく、異教徒を皆殺しにするものでもなく、基本的には戦闘員しか殺さない戦い。 ところがヨーロッパで行われたこの30年戦争は恐ろしい。カトリックからすればプロテスタントの信者が全員死ぬまで、プロテスタントからすればカトリックが全員死ぬまで続くのではないかという戦争だった。 あまりにも凄惨(せいさん)な戦いが続いたために、オランダの法学者グロティウスが、書籍『戦争と平和の法』を著し、「戦争には良い戦争も悪い戦争もない。だが、戦争にも守るべき法がある」と唱えた。 国際法の歴史を見ていくと、「人間は殺し合いをする」ことが前提になっている。 戦争自体は良いも悪いもない。だから、せめてあまりにも悲惨なことはやめよう。これが「国際法の始まり」と言われている。 ここでグロティウスは3つの法則を唱える。 第1に、世の中は戦争と平和の状態がある。つまり戦時と平時。これを区別する。第2は、戦時においては、敵と味方と中立国を区別する。そして第3は、戦時においては、戦闘員と非戦闘員を区別する。 これは実はたいへん重要で、誰でも彼でも殺してしまえという戦争をやると、メチャクチャになる。中世のヨーロッパでよく行われた決闘をモデルにした。これであれば正義も不正義も関係なく、どちらかが勝てばそれで戦いが終わり、平和の時代に戻る。ルールのある殺し合い。 国際法は、いわば人類(ヨーロッパ人)の知恵だ。明治の日本人は国際法(International law)を「ヨーロッパ公法」と訳した。  

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