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第618回 ワクチン開発で注意すべき危険な変異、新型コロナウイルスはイタリアから発生?プレヤーレンの警告まとめ
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▼今回の記事
まず今回のメインテーマとして、ワクチンの開発にともなう新型コロナウイルスの変異する可能性について紹介する。また、このウイルスがイタリア発である可能性や、白人で死亡者数が高い理由も紹介する。
最後に、「プレヤーレン」による新型コロナウイルスの警告のまとめを紹介する。
▼ワクチン開発で留意すべき変異
それでは早速今回のメインテーマを書く。ワクチンの開発とともに懸念される新型コロナウイルスの変異についてだ。
新型コロナウイルスの拡大は続いているものの、楽観的なニュースも多くなってきた。11月30日、米製薬大手「ファイザー」は開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの条件付き販売許可を、欧州連合の医薬品規制当局、「欧州医薬品庁(EMA)」に申請した。同社と共同開発しているドイツのバイオ企業「ビオンテック」が12月1日に発表した。「EMA」は年内に使用開始を承認する可能性がある。
さらに、12月1日、ホワイトハウスで新型コロナウイルスのワクチン配布計画を統括するモンセフ・スラウイ首席科学顧問は、全世界に十分な量のワクチンが行き渡る時期について2022年の前半か半ばまでに、大半の人が免疫を持つようになると望んでいると語った。さらにスラウイは、アメリカに関して、来年半ばまでに、大半の国民が免疫を獲得しワクチンの情報を得ることで、行動の制約が小さくなると期待しているとした。十分な人数が免疫を持てば、アメリカでは「来年後半にパンデミックは収束するだろうと予測している。
また致死率も、日本をはじめ多くの国々では低下傾向が続いている。11月後半と12月2日の致死率の推移は以下のようになっている。
日本 1.50% → 1.44%
アメリカ 2.06% → 1.96%
イギリス 3.62% → 3.59%
科学的な根拠ははっきりしていないものの、この致死率の低下がウイルスの弱毒化がもたらしたものではないのかという見解も多い。これは前回の記事で詳しく説明した。
●危険な変異
このように、ウイルスの蔓延が続くなか、ワクチンが各国に行き渡るにつれ、新型コロナウイルスのパンデミックも来年の半ばには大分落ち着くのではないかという期待感が膨らんでいる。ワクチンの流通とともに、人々が規制なく社会活動を展開できるコロナ以前の2019年頃の状態に戻ることができるのではないかという期待感だ。
しかしながら、こうした期待感に水を差しているのが、新型コロナウイルスの進化による変異型の出現だ。現在最も流行しているものは「D614G」という型だが、それから派生した変異型の約86%に、抗体に対する耐性が検出されたのだ。モノクローナル抗体(mAbs)と呼ばれる抗体を使用した研究では、ヒトで流通している27の抗体に対する耐性変異を含む48の新しい変異が発見されている。
これらには、第611回の記事で紹介した「V483A」、「A475V」、「I472V」などの変異型が含まれるはずだ。また、前回の記事で解説したように、いまヨーロッパのパンデミックの中心になっているのは、「20A.EU1」という変異型だ。これも「D614G」から派生したものだが、毒性は強くはないものの強い感染力を持つ。このような変異型の出現を見ると、開発されたワクチンがこうした変異型にどこまで有効なのか疑問になってくる。果たしてどうなのだろうか?
●ワクチン接種が変異を速める?
そのような疑問に答えるべくリサーチしていると、興味深い研究論文があった。
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