■投資の本質
お金を増やしたいなら、自分の弱さに気づくべきだ。恐怖心を理性
で克服することは難しい。だから、人間は理性と逆の行動をとって
しまうのだ。
これは投資の世界でも同じだ。「買うべき時に売り、売るべき時に
買ってしまう」のが人間なのだ。コロナショックでこの事実に気づ
いた人もいるはずだ。
株価がどんどん下落していく様子を見れば「買いどきだ」とわかる。
だが怖くて買えない。反対に、株を持っている人は、早く手放した
ほうがいい局面でも、売れずに「塩漬け」してしまう。
「なぜ損をするのか」「なぜ動けず儲け損ねるのか」その理由を押
さえるべきだ。それができれば、投資生活では絶対有利な武器にな
る。この事実を知ることが、投資で損をしない秘訣なのだ。
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「怖い」「儲けたい」という感情に勝つことは、ストレスが大きい。
明るい将来のために投資をするのだから、そんなストレスやプレッ
シャーで日々の生活を台無しにするのは本末転倒だ。
だから、恐怖心が強くても、欲望に流されそうになっても、勝ち続
けられる資産運用の方法を知るべきだ。「投資していることを忘れ
ている状態」こそが究極のあり方だ。
そのためには、投資の中身に安心していることだ。投資につきもの
の不安や恐怖とは正反対の精神状態だ。それは、これから長期間、
投資生活を送っていく上で、何にも代えがたい大切な要素になる。
その点「投資信託」は確実な資産運用方法といえる。しかも「積み
立て」を利用すれば、不景気だろうと安心して続けられる。むしろ、
不景気の時こそ最大の効果を発揮する。
「投資信託」には、流行りの“億り人になる方法”ほどの派手さは
ない。だが、知識がなくて、手元にそれほど資金がない人でも、メ
リットが得られるはずだ。
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投資信託は「ファンドマネージャー」と呼ばれる投資のプロが個人
投資家からお金を集め、数十社、数百社、数千社の銘柄を買い集め
てひとつの詰め合わせ商品を作って運用する仕組みだ。
プロが投資先を選んで、投資し、利益を出してくれるのだ。メンテ
ナンスもしてくれる。つまり、プロに丸投げして、放ったらかしに
しておけるのだ。
「ズボラで数字チェックやネット取引など細かい作業が面倒」「仕
事や育児、遊びで忙しいから、普段お金のことは考えたくない」そ
ういう人のほど長期間続けられる。結果的に利益が大きくなる。
投資信託は、基本的に長期間投資するものなのだ。だが「償還」の
期限が決められている商品もあるので注意が必要だ。償還とは、商
品の運用が終了することだ。
運用期間を満了せず繰り上げ終了する商品は毎月数本~数十本ある。
解約が相次いだり、純資産が増えなかったり、運用がうまくいかな
いと途中で終了になる。できれば「無期限」の商品を選ぶべきだ。
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2020年は、世界中がコロナウイルスに振り回された年だった。各国
の株価指数も軒並み下落した。「前代未聞のことだ」と思った人が
多いはずだ。
だが、世界の株式の値動きを調べてみればわかるが、株の世界では、
コロナショック暴落のようなことが、過去60年間で実に13回も起
きている。
大事なことは「ショック」が起きた後、世界はどうなったのかを覚
えておくことだ。ショック級の事態が襲っても、世界の株式市場全
体では、平均的に株価は「20カ月」をかけて回復しているのだ。
投資信託も同じだ。世界経済にあわせて下落しても、2年ほどで回
復するのが普通だ。これを知っておけば、チャートが激しく変動す
るのを見ても動揺せずにいられるはずだ。
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