輸入低迷に見る日本経済の脆さ
「世界でも異例の輸入の弱さ」
今年春に新型コロナの感染拡大を受け、世界各地で「非常事態」「緊急事態」が宣言され、経済活動が多くの分野で停止し、主要国のGDP(国内総生産)は前代未聞の大幅マイナスとなりました。その後経済再開で各国ともに7-9月は「過去最高」の高成長を記録し、日本も前期比5.3%(年率22.9%)の高成長を記録しました。
ところが、この世界的な景気回復の中で、日本の回復パターンだけ異例の形になっています。つまり、世界の景気が回復し、国内需要の回復を受けて輸入も回復を見せる中で、日本だけが異常な形で輸入が大きく減少しています。5.3%成長のうち「外需」が半分以上の2.7%押し上げていますが、そのうち1.6%が控除項目である輸入の減少による押し上げという形になっています。
世界の動きと対比し、輸入の動きを国際比較をするために、オランダ経済分析局の「実質世界輸入」から、国や地域ごとの動きと比較してみましょう。
今年7-9月の実質世界輸入は前期比10.5%増(年率ではありません)と、4-6月の10.8%減から急反発し、減少分の多くを取り戻しました。先進国で11.7%増、新興国で7.9%増です。
先進国では米国が15.1%増と高く、ユーロ圏も13.8%増と回復しています。新興国でも中国は9.9%増と強さを見せています。その中で、日本だけが8.1%減と、大幅なマイナスとなっています。これは日本のGDP統計でも実質輸入が8.8%減となっていて、オランダ当局が間違えたわけではありません。
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