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第142回 飲食業界とブロックチェーン その2、ディエムとはなにか?

ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ヤスの第四次産業革命とブロックチェーン ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 第142回 飲食業界とブロックチェーン その2、ディエムとはなにか? …━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… ▼今回の記事 今回は、まずフェースブックが立ち上げ予定の仮想通貨、「ディエム(Diem)」について解説する。大きな動きになるはずだ。次にメインテーマとして、飲食業界におけるブロックチェーン導入のプロジェクトを一挙に紹介する。 ▼「リブラ」から「ディエム」へ 「フェースブック」が立ち上げ予定だった仮想通貨、「リブラ」はコンセプトを大幅に変更し、「ディエム(Diem)」としてリリースされることが決まった。2021年早々にも立ち上がる予定だ。「リブラ」は米議会から多くの問題点を指摘され、暗礁に乗り上げていたので、「ディエム」へのコンセプト変更が注目されている。「ディエム」は、これから仮想通貨における大きな流れになると思われるので、その要点を簡単に紹介する。 ●「リブラ」の問題点 SNS最大手の「フェースブック」が2019年6月に華々しく立ち上げを宣言した仮想通貨、「リブラ」だったが、その後、米議会や米政府の金融当局から多くの反対があり、実質的に立ち上げは困難な状況に追い込まれた。「リブラ」が根本的に仕様変更しない限り、当局によってこれが認可される可能性はほとんどなくなっていた。 米議会、及び米金融当局が「リブラ」に強い拒否反応を示したのは、「リブラ」は複数の法定通貨の平均価値に連動したステーブルコインとして立案されていたからだ。「ビットコイン」を始めとした既存の仮想通貨の最大の問題点は、その価値の変動幅の大きさと、それがもたらした投機性にある。「ビットコイン」などの価値は、数時間で10%以上変動することは当たり前で、数カ月で100%程度乱高下することは普通だ。このように価値が安定していないので、「ビットコイン」を支払い手段として使うことは実質的に困難な状況になっていた。 その理由は「ビットコイン」の価値が、その時々の需要だけに依存して変動し、価値の保証の基盤となるようなものがなかったからだ。そこで「リブラ」は、複数の法定通貨の平均価値に釘付け(ペッグ)し、極端な相場の乱高下を防止することにした。価値が法定通貨並に安定していると、「リブラ」は決済手段として使うことができる。「リブラ」は、「カリブラ」と呼ばれるスマホのウォレットを通して送金できる。送金は一瞬で、手数料もほとんどかからない。すると「リブラ」は、国際貿易の決済手段としても使用可能になる。銀行を介することなく、国際的な決済が完了するのだ。 もしこのような「リブラ」の使用が拡大すると、中央銀行の発行する法定通貨の地位のみならず、ドルの基軸通貨体制すらも脅かす可能性のある存在として、米議会や米政府の金融当局から危険視されたのだ。「フェースブック」には25億アカウントもある。「リブラ」が立ち上がると、「フェースブック」のメッセンジャーと同じような感覚で使えるので、瞬く間に広がることは間違いない。 また、それだけの影響力のある仮想通貨が、「フェースブック」を中心にした一般企業によって管理されることも問題になった。これらの企業は中央銀行を凌ぐ力を持つことになるとして、警戒されたのだ。 ●「ディエム」のコンセプト このような批判に答えるべく出された新しいコンセプトに基づく仮想通貨が、「ディエム」である。「ディエム」のもっとも大きな特徴は、それがステーブルコインであることでは「リブラ」とは変わらないものの、ドルの価値のみにペッグするという点である。すなわちドルのみを価値の基盤とするわけである。すると、「ディエム」がどれほど流通しても、それは実質的にドルが流通していることと同じなので、ドルを基盤にした基軸通貨体制を脅かすことにはならない。

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  • 昨年から今年にかけて仮想通貨の高騰に私たちは熱狂しました。しかしいま、各国の規制の強化が背景となり、仮想通貨の相場は下落しています。仮想通貨の将来性に否定的な意見が多くなっています。しかしいま、ブロックチェーンのテクノロジーを基礎にした第四次産業革命が起こりつつあります。こうした支店から仮想通貨を見ると、これから有望なコインが見えてきます。毎月、ブロックチェーンが適用される分野を毎回紹介します。
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