新年の株式市場に2つの金利リスク
「コロナ危機のもとでの株高」
新型コロナのパンデミックが広がる中で、日米を中心に世界的な株高が生じています。コロナ危機が高まるが故の、積極的な財政支援策と、世界的な大規模金融緩和策が、世界のマネーを株式市場にいざなう形になっています。ある意味ではコロナ危機が主要国の間にMMT(現代貨幣理論)の実験を行わせ、その意味ではコロナ・パンデミックが株高をもたらしたともいえます。
米国では9月に終わった2020年度の連邦政府の財政赤字がGDPの16%に達し、平和時ではかつてない大規模なものとなりました。そしてFRBが毎月800億ドルの国債を買い入れ、長期金利の低位安定を支えています。連邦政府が直接貨幣を刷っているわけではありませんが、政府が発行した国債をFRBが買い入れて資金を供給しているわけで、「疑似MMT」ともいえます。
同様に、日本でもコロナ支援策として今年度3度にわたり都合300兆円の事業規模での追加補正を行い、今年度は新規国債の発行額が112兆円に達します。そしてやはり日銀が「必要なら無制限に」国債を買い入れる姿勢を見せています。ECBも日米に比べると制約はあるものの、同様に大規模な資産買い入れを伴う超金融緩和策をとっています。
資金は潤沢に供給されているものの、国債の多くがマイナス金利かゼロに近い低金利となっているため、投資マネーはどうしても株式市場に向かわざるを得ない形になっています。この構図が変わらなければ、コロナ禍での株高が続きそうですが、新年にはこの低金利の条件が変わりうる要素が少なくとも2つあります。
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